前回はスマートフォンユーザーの「プライベートアプリ」利用について「利用の種類」や「利用のきっかけ」を見てきた。今回は、ユーザーはプライベートアプリのどのような点を重要視するのか、課金についてどのように考えているのかを聞いた。以下でアンケート結果を見ていこう。

調査概要プライベートでのスマートフォンアプリ利用に関する調査
主催モバイルマーケティング・ジャパン、ネットマイル
対象ユーザー「スマホリサーチ」パネル(共通ポイントプログラム「ネットマイル」会員約450万人の中から抽出したスマートフォンユーザー)
調査期間2012年1月31日~2月2日
方式インターネット調査(回答はすべてスマートフォンから得たもの)
有効回答数953

プライベートアプリに重要視されるのは「実用性」

 まず、「プライベート利用アプリで重視するポイント」をOS別に聞いた。全体では「利便性」「操作性」が65.6%、65.1%とダントツに高く、ユーザーはこれらを最も重視していることが分かる。次いで「生活への必要性」「価格」が続き、プライベート利用とはいえ、実用性・実利性重視の傾向が強い(図1)。

図1●プライベート利用のアプリで重視するポイント
図1●プライベート利用のアプリで重視するポイント
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 OS別に見ると、「価格」「面白いかどうか」「デザイン/見た目」はiOSが高く、Androidユーザーと比較して、実用性以外の感性的価値を重視する傾向にあるといえる。また、Androidユーザーは「アプリのサイズ(容量)」を重視する傾向がiOSよりも高い。Android搭載スマートフォンはiPhoneとは異なり、外部メモリーにアプリを保存できる点などが関係していると考えられる。

「実際の課金率」と「課金してもよい率」に25~30%近くの差

 次に課金について見ていきたい。アプリに対してどの程度の金額を支払ってもよいとユーザーは考えているのだろうか。アンケート結果を見ると、毎月アプリに対してお金を支払っているユーザーは全体の約3割にとどまる。「300円以上」になると約1割にまで減ってしまう(図2)。

図2●プライベートアプリに支払っている/支払ってもよい金額
図2●プライベートアプリに支払っている/支払ってもよい金額
N=953

 一方、月に支払ってもよい金額を聞いたところ、支払ってもよいと考えるユーザーは約6割存在する。さらに「300円以上」が約35%になる。この差を見ると、有料アプリの市場はまだまだ広がることが期待できる。また、「1アプリあたりに支払ってもよい金額」は、「無料」を除くと「100~299円」がボリュームゾーンになっている。