Linux Mintプロジェクトは2011年11月26日、Linuxディストリビューションの新版「Linux Mint 12」(コードネーム:Lisa)をリリースした。GNOME 3ベースの新GUIや、GNOME 2からフォークした「MATE」を搭載している。

 Linux MintはUbuntuをベースにしたデスクトップ向けLinuxディストリビューション*1。長らく“人気3位”だったが、最近、ディストリビューション情報サイト「DistroWatch.com」のページビューランキングで1位となり注目を浴びている。

写真1●MGSEのデスクトップ
写真1●MGSEのデスクトップ
基本はGNOME 3のGNOME Shell。

 Linux Mint 12はUbuntu 11.10をベースとしつつ、Ubuntuの標準ユーザーインタフェースである「Unity」を離れ、独自の「MGSE(Mint GNOME Shell Extensions)」を採用している(写真1)。

 Linux Mint 12のインストールメディアは、32ビット版と64ビット版のそれぞれに、DVDイメージとCDイメージが用意されている。CDイメージはDVDイメージを基にアプリケーションやマルチメディアサポートの一部を削ったもので、GNOME 2からフォークした「MATE」も入っていない。本記事では、32ビット版のDVDイメージからインストールしたLinux Mint 12をレビューしよう。

UIへの戸惑いが人気の理由

 Linux Mintの人気が伸びている理由として、UbuntuのUnityや「GNOME 3」標準の「GNOME Shell」といった新しいユーザーインタフェースに多くのユーザーが戸惑っていることが挙げられる。ユーザーの声として大きいのが「これまで通りのアプリケーションメニューがない」ことだ。

 Linux Mint12ではこの問題に対し、GNOME Shellに、(1)アプリケーションメニューを追加、(2)タスクバーを画面の下に表示、(3)アプリケーション単位ではなくウィンドウ単位でのAlt-Tabによる切り替え、(4)Altキーを押さなくてもシャットダウンがメニューに表示される、といった従来型のインタフェースを付け加えて対処している。