ジャンル:かな漢字変換ソフト
ライセンス:修正BSDライセンス
作者:米Google社
URL:http://code.google.com/p/mozc/

 Mozc(もずく)は、オープンソースのかな漢字変換ソフト。米Google社が開発した「Google日本語入力」のオープンソース版という位置付けだ。変換候補を推測して提示してくれる「サジェスト」など豊富な機能を備えている。

 かな漢字変換ソフト(IME)は、日本語の入力に欠かせない。UbuntuやFedoraなど多くのLinuxディストリビューションが標準搭載する「Anthy」は、実用的なIMEだが必要最低限の機能しか備えていない。Mozcであれば、サジェスト機能やリアルタイム変換など、最新の技術を生かしてより快適な日本語入力が可能になる(写真1)。入力支援機能として備える日時入力や電卓機能も便利だ(図1)。

写真1 かな漢字変換ソフト「Mozc」
写真1 かな漢字変換ソフト「Mozc」
図1 Mozcの主な入力支援機能
図1 Mozcの主な入力支援機能
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 Mozcは「Ubuntuソフトウェアセンター」から簡単にインストールできる。インストール後に、AnthyからMozcへの切り替え操作を施すだけで使える。

 Ubuntu 11.04でインストールできる標準パッケージのバージョンは、1.0.558.102。一方ソースコードでは、9月22日時点でMozcプロジェクトはバージョン1.2.831.102を最新版として提供している。

 両者の違いは、辞書データの内容と手書き文字入力やリアルタイム変換などの付加機能にある。辞書の内容が新しいほど変換精度が上がるというわけではなく、バージョンが上がるたびに微調整が続いている印象だ。手書き文字認識などの機能が必要なければ、Ubuntu標準のパッケージを利用するだけでも快適に日本語を入力できる。

パッケージをインストール

 標準パッケージを導入するには、Ubuntuソフトウェアセンターで「mozc」を検索し、「ibus-mozc」をインストールする。関連パッケージの「mozc-server」と「mozc-utils-gui」も同時にインストールされる。Ubuntuの「端末」からコマンドでインストールする場合は、

$ sudo apt-get install ibus-mozc
このマークで改行

としてMozcを導入する。パッケージ名に「ibus」とあるのは、Ubuntu標準の文字入力システムが「iBus」を利用しているからだ。

 Mozcのインストールが完了したら、Mozcをシステムに登録するためにiBusを再起動しよう。デスクトップ画面の最上段にあるパネルのキーボードアイコンをクリックし、「再起動」を選択する。