導入コストについては、ハードの性能向上を受けて、ソフトライセンスの負担が目立ってきた。なかでも、「マイクロソフト製品のライセンスが導入のネックになる」という声が異口同音に聞かれる。

 マイクロソフトの仮想デスクトップ(VDI)で、クライアント側に必要なライセンスは大きく三つある。(1)Windows Server CAL、(2)VDI Standard Suite、(3)Windows SAである(図1)。

図1●仮想デスクトップのクライアント側ライセンス費用の例
図1●仮想デスクトップのクライアント側ライセンス費用の例
マイクロソフト製品(VDI)を導入し、300台のPCを3年間使うことを想定した、マイクロソフトの契約条件「Select価格レベルA」の参考価格
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 ユーザーが不満を漏らすのは、新バージョンのソフトウエア使用権などを含む、Windows SAに対してだ。北陸銀行の富永マネージャーは「仮想マシンが1500台しかないのに、アクセスする可能性がある2300台分についてWindows OSとOfficeのライセンスを支払わなければならない」と話す。同行では一策として、仮想デスクトップ導入を機にオープンソースのオフィスソフト「OpenOffice」を加え、活用できないか探っている。

図2●仮想デスクトップで利用するソフトの課金パターン
図2●仮想デスクトップで利用するソフトの課金パターン
エトキ
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 仮想デスクトップ環境で利用するソフトは、大きく四つの課金パターンが考えられる。仮想マシンの数、同時接続数、端末数、ユーザー数である(図2)。

 先のWindows SAは端末数だ。日本マイクロソフト コマーシャルWindows本部の 小黒信介プロダクトマネージャーは「Windowsのライセンスは従来すべてデバイス課金で提供してきた。この流れに一貫性を持たせる形でSAは提供されている」と説明する。