仮想デスクトップの運用では、仮想マシンの台数管理と、ログオン集中対策が焦点になってきた。

 東京海上日動火災保険や三菱東京UFJ銀行、北陸銀行は数百台から数千台の仮想マシンをプールとして用意しておき、ログオンしてきた順番に端末に割り当てる。仮想マシンの数よりも、端末の数のほうが多いので、仮想マシンの利用状況を管理する必要がある。

図1●仮想マシンをプール化して使う北陸銀行
図1●仮想マシンをプール化して使う北陸銀行
1500台の仮想マシンを2300台の端末から共用する。タイムアウトを設け、仮想マシンの有効利用を図っている
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 北陸銀行では、2300台の端末に対して、仮想マシンは1500台しか用意していない(図1)。「日中はそれほど端末は使われない。営業店では、朝と夕方に利用が集中するが、仮想マシンをうまく使い回せている」(北陸銀行 総合事務部の山岸新一システム室長)。仮想マシンを使い切ると、その後にログオン要求した端末を接続できない。そのため、30分間使っていない端末のセッションを切り、仮想マシンを解放している。

 東京海上日動火災保険も「営業社員が一日中社内にいることはない」という前提で、2万6000台の端末に対して、仮想マシンは2万2000台を用意している。

 三菱東京UFJ銀行では、業務パターンに応じて仮想マシンのプールを用意。「仮想マシンの最大同時利用率は、オフィス業務用が80~90%、開発系では50%程度のプールもある。ばらつきがあるので、プールの利用率は毎日チェックしている」(三菱UFJインフォメーションテクノロジー 基盤第三部の西井淳部長)。