受信トレイに入った未読メールの処理に追われて、本来やるべき仕事に取り掛かれない─。そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくないはずだ。皮肉なことに、仕事を効率化するためのIT(情報技術)ツールが、かえって生産性を大幅に低下させる要因になってしまっている。

 著者は個人でも組織レベルでも深刻な状態に悪化している「IT中毒」から抜け出すために、「時間の使い方を『天引き』で構成し直す」といったワークスタイルの変革を促す。日本のモノ作りを支えてきた「ニンベンの自働化」になぞらえ、人間がITを賢く使いこなす「ニンベンのIT」を実現しようという主張は明快だ。

「IT断食」のすすめ

「IT断食」のすすめ
遠藤 功/山本 孝昭著
日本経済新聞出版社発行
893円(税込)