アイスブレーカーとは、「会議や講演で、参加者がリラックスして望めるように行う簡単なアクティビティ」のことです。プロジェクト成功率を高めるためにファシリテーションを駆使しているケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズでは、このアイスブレーカーも活用しています(関連記事『ケンブリッジ・ファシリテーション研究所』)。最終回は、アイスブレーカーを実施する際のコツと注意点を紹介します。

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 第1回~第3回のアイスブレーカーを読まれて、「アイスブレーカーって面白いなぁ」「やってみようかなぁ」と感じている読者も少なくないのではないでしょうか。

 一方で、「そうはいっても」「ウチにはちょっと」といった感じで、実践するにはまだ抵抗がある方もいるでしょう。これまで全くやったことがないのに突然「アイスブレーカーをやります!」というのも、少しためらわれる気がするかもしれません。「やっても大丈夫かなぁと」不安に思う部分もあるでしょう。

 そこで、アイスブレーカーを“さりげなく”やるコツと、注意点を幾つか紹介します。

【しれっと始める】
 会議資料の冒頭ページやホワイトボードに、会議のアジェンダ(議題)を書くことはよくあります。このアジェンダの中に「アイスブレーカー」と書いておくと、どうなると思いますか。

 アイスブレーカーを知らない参加者から「これ何?」と質問され、回答すると「そんなのいいから早く始めよう」なんて言われてしまう可能性があります。特に時間に厳しいメンバーからは、そんな指摘をされてしまうかもしれません。

 参加者のことを把握し切れておらず、そんな心配がありそうだなと思えるときは、あえてアジェンダには書かず、しれっとはじめると案外それ以降もスムーズに進みます。

 参加者がアイスブレーカーに慣れてきたら、こんな心配は不要です。逆にアジェンダにアイスブレーカーが上がっていないと「今日はないの?」と、残念そうに聞かれてしまうようにもなります。

【遅刻待ちの時間にやる】
 参加者の一部が遅刻したために会議が始められず、予定時刻に集まった参加者が退屈そうに待っている光景――。よく見られますよね。遅刻者がやっと到着したとしても、待っていた人が“イラッ”とした表情を見せることもあります。

 全員集まるまでのこの時間を、アイスブレーカーに使うのも効果的です。遅刻者が来るまでは始めたくても始められないし、誰もが退屈しているため、普段ならあまりアイスブレーカーに積極的でないメンバーも案外のってきます。遅刻者待ちのイライラ感も解消され、雰囲気が悪くなるのを避けられるわけです。

【話題になりそうな壁紙を写しておく】
 会議ではプロジェクタを使って資料を投影することもよくあります。こんなときは、旅行の写真や珍しい風景写真などを壁紙にしておきましょう。すると結構メンバーが食いついてきて、ちょっとした会話が生まれます。これだけでも十分アイスブレーカーになります。

【お菓子を置く】
 あえてアクティビティをせず、お菓子を置いておくといいうのも一つの手です。チョコレートやクッキーなどのお菓子を食べながら会議を進める。これだけでもリラックスや気分転換につながります。旅行のお土産や珍しいお菓子を置くのも、会議前のちょっとした会話ネタになるのでオススメです。