写真1●LTEを「大衆化する」と宣言
写真1●LTEを「大衆化する」と宣言

 2012年はLTE(Long Term Evolution)を大衆化する。スマートフォンの販売価格は50ドル以下、タブレットとスマートフォンを一括購入の場合には249.99ドルとする---。

 これは、「2012 International CES」(CES2012)に先駆けて行われた、AT&Tによる開発者会議「AT&T Developer Summit」での発表内容だ(写真1写真2写真3)。低価格化を実現する製品は、当面スマートフォンが「Burst」(韓国パンテック製)と「Exhilarate」(韓国サムスン電子製)、タブレットが「Element」(パンテック製)の3商品である(写真4)。

写真2●スマートフォンは50ドル以下で購入可能に
写真2●スマートフォンは50ドル以下で購入可能に
写真3●スマートフォンとタブレットのセットで249.99ドル
写真3●スマートフォンとタブレットのセットで249.99ドル

 前年の2011年のCESでは、「4G」の導入ムード一色だった。米国で4Gと言えば、HSPA+、LTE、モバイルWiMAXなどの高速通信サービス全般を指している(*1)。ちょうど1年前は、各社が競ってこれらの新サービスを導入、対応端末の機種数やサービス地域の展開などを競い合っていた(関連記事)。

*1 4Gは、第4世代移動体通信のこと。米国では、実効速度で数Mビット/秒以上が期待できるモバイルブロードバンドを「4G」と呼んでいる。具体的には、「LTE」「HSPA+」「モバイルWiMAX」が対象。以前は、ITU(国際通信連合)で検討が進むIMT-Advancedが「4G」とみなされていたが、2010年12月、ITUはLTEやHSPA+、モバイルWiMAXという3Gの発展技術について「4Gと認める」と発表した。

 それから1年、米国で4Gは一気に広がった。米国最大手のベライゾン・ワイヤレスによれば、同社の4Gサービスがカバーする地域は既に190に上り、人口換算では2億人に達するという(同社の4Gサイト)。2013年中には、3Gと同等のカバーエリアにするとしている(*2)。米国の4Gネットワークは急拡大し、それに伴って端末価格も急落しているというわけである。

*2 NTTドコモは、2014年度末までに全国の基地局の51.1%(約2万局)をLTE対応にし、加入数は1774万に達するとみている(総務省発表の資料)。
写真4●低価格化を実現するのは、当面「Burst」「Element」「Exhilarate」の3商品(左から)
写真4●低価格化を実現するのは、当面「Burst」「Element」「Exhilarate」の3商品(左から)
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