日経コンピュータがITpro会員4001人を対象に実施したIFRS(国際会計基準)意識・動向調査によれば、金融担当大臣の発言に端を発した事実上の適用延期を「妥当」とする回答が7割近くに達した。適用方法を「強制」にすべきか、「任意」でよいかについては、意見が分かれた。

適用は「強制」か「任意」か

 IFRSを適用する場合、強制適用にすべきか、任意(早期)適用の延長でよいか。金融庁 企業会計審議会でも様々な議論がある。

 調査で適用方法について尋ねたところ、意見は分かれた。「すべての上場企業に強制」「一部の上場企業に強制」「任意」がほぼ3割ずつとなった(図1)。

図1●日本企業に対するIFRSの適用について、どう思うか
図1●日本企業に対するIFRSの適用について、どう思うか

 プロジェクト経験者と、IFRSプロジェクトに関わっていない回答者(以下、プロジェクト非経験者)では、意識の差がある。「強制適用は必要」はプロジェクト経験者に多く、「適用は不要」は非経験者に多い。当事者ほど、IFRSの必要性を強く感じているようだ。

 適用延期については、どう考えているか。「延期は妥当」は65.9%で、「延期は不要」(27.7%)を大きく上回った(図2)。IFRS強制適用の開始は当初、早くて2015年3月期とみられていた。「それでは対応が間に合わない」と考えていた企業が多かったと思われる。

図2●IFRS適用時期について、どう思うか
図2●IFRS適用時期について、どう思うか
「適用延期は妥当」が66%を占める