Windows 7の導入が進み始めたとはいえ、まだまだ全クライアントを切り替えた企業は少ない。つまり、XP以前の古いWindowsマシンとWindows 7マシンが混在した環境にある、または、これから混在環境を抱える企業は多い。

 本書は、そういった状況を前提にして、Windows 7を中心にWindowsネットワークを解説している点がうれしい。例えばネットワーク上のWindowsマシンの一覧は、XPまではNetBIOSというプロトコルを使った「ブラウジング」で実現していた。これが7では、LLTDなどの新しいプロトコルが追加される。本書では新旧両方の知識を得られ、混在環境でどう使うべきかがわかるようにしている。

 ただ、取り上げているトピックの優先順位には不満が残る。例えばMACアドレスは一つの章として詳細に解説しているが、ここまで必要なのか。またWindows 7でWebサーバーやFTPサーバーを立ち上げる方法を示すよりは、Windows Server 2008 R2との連携を取り上げてほしい、などだ。まずはWebで紹介されている目次を見て、自分が読みたいトピックがあるかを確認したい。

Windows7ネットワーク徹底解説

Windows7ネットワーク徹底解説
長岡 秀明著
秀和システム発行
2625円(税込)