様々な分野の企業の失敗事例から学べる教訓を集めた本。著者は過去25年にわたって一定基準に該当する2500件以上の失敗事例データベースを作成。これを750例まで絞ったうえで、掘り下げて調べた。その結果、多くの失敗が7つの兆候と関連しているという。

 7つには「隣接市場に参入する」「新たなテクノロジーを追求する」など、一般的に奨励されているものもある。例えば米ゼロックスが自社のコピー機の購入資金を融資する金融サービスという「隣接市場」に参入したが、結局不良資産の処理に追われて撤退した。「コア事業が不振だからといって隣接市場に逃げても、余分な責務を抱え込むだけ」という指摘は的を射ている。

7つの危険な兆候

7つの危険な兆候
ポール・キャロル/チュンカ・ムイ著
谷川 漣訳
海と月社発行
1890円(税込)