イノベーション(革新)はどのように生まれるのか。個人ブログで有名な著者が、行動経済学やゲーム理論を駆使して理解を試みている。

 当初は「技術革新」と訳されたイノベーションだが、技術よりもビジネスモデルが先立つと著者は指摘する。そこで重要になるのが、行動経済学でいう「フレーミング」だ。既存の枠組みから自由になり、新しい市場の「見方」を提示することがイノベーションの鍵を握る。

 ただ、新しい見方は常識的な大多数の人々には理解しにくく、外れるリスクも大きい。合意を得て進める開発形態では途中で棄却されやすい。社内の“変人”が最後まで関われる環境の整備や、魅力的な物語作りの必要性を説く。

イノベーションとは何か

イノベーションとは何か
池田 信夫著
東洋経済新報社発行
2100円(税込)