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見える化の基準を疑え

第3回 体質化KPIを設定/アヲハタ

島津 忠承=日経情報ストラテジー 2012/01/18 日経情報ストラテジー
出典:日経情報ストラテジー 2011年3月号pp.34-36
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 改善活動を促すための基準を設定していても、どんな行動を取れば成果が出るのかを理解しにくいようでは、現場の改善意欲を引き出せない。また、ノルマのように感じられる基準では改善活動が長続きしない。低糖度ジャムメーカー最大手であるアヲハタのジャム工場(広島県竹原市)はこれらの点に注意し、現場が理解しやすく、かつ主体的に取り組める体質化KPIを設定した。

※  ※  ※

 「この原材料の置き場をこちらに移せば、腕を伸ばして取る時間の無駄が省けます」─。

写真1●アヲハタジャム工場(広島県竹原市)の従業員は3分の2が女性。現場起点の改善活動も女性主体で意見を出し合っている
写真1●アヲハタジャム工場(広島県竹原市)の従業員は3分の2が女性。現場起点の改善活動も女性主体で意見を出し合っている
右端が生産革新担当スタッフの石井悦子氏
図1●体質化KPIを設定
[画像のクリックで拡大表示]

 アヲハタのジャム工場(写真1)では日々、こうした改善提案の声が現場から寄せられる。作業時間の無駄に着目して改善に励む「え~じゃん活動」を2006年11月に開始。現場の改善意欲を引き出す体質化KPIとして「MOD貯金」を設定した(図1)。

 従来のジャム工場は「98105」と呼ぶ、工場全体の生産性目標を示すKPIだけを運用していた。98105とは通年で操業率90%以上、可動率80%以上、能率改善10%以上、材料廃棄率0.5%以下にする目標である。

 工場全体の業績目標としては適切だが、どんな作業をすれば能率や材料歩留まりの改善に貢献できるのかは現場には分かりにくい。ボトムアップ型の小集団活動を展開していたものの、現場からの作業改善提案の件数の推移は、2005年が96件、2006年が74件と低迷した。このため現場改善活動は、トップダウンで発令するプロジェクトばかりになっていた。

動作や作業の時間を共通尺度で計測

写真2●「MOD貯金」を考案した矢萩直秀取締役生産本部長
写真2●「MOD貯金」を考案した矢萩直秀取締役生産本部長
写真撮影:田頭 義憲

 そこで現場からの改善提案を増やそうと、2006年当時にジャム工場長だった矢萩直秀取締役生産本部長(写真2)が発案したのがMOD貯金だ。

 MOD貯金とは、工場の各生産ラインが作業改善などで減らした無駄な時間を換算し、総合計した値のこと。時間の無駄に注目するインダストリアル・エンジニアリング(IE)手法の1種「MODAPTS法」を応用したものだ。

 MODAPTS法では「腕を曲げる」「振り返る」といった動作にかかる時間に個人差がほとんど無い点に着目し、全ての動作・作業の時間を「MOD(1MODは0.129秒)」という単位で表す。例えば1歩分を歩いた時間は5MOD(0.645秒)となる。

 MODAPTS法を活用する利点は主に2つある。第1に腕の曲げ伸ばしなど、身近な動作の標準時間が決まっているため、現場の作業者も普段の動作に無駄が無いかどうかを意識しやすくなること。無駄な動作を見つける目を養える。

 第2に、作業改善によって短縮した時間の効果を客観的に表現できることだ。え~じゃん活動の初期から事務局を務める同工場生産革新担当スタッフの石井悦子氏は「この動作を変えればこれだけ無駄な時間を減らせるよと、計算結果に基づいて皆に分かりやすく伝えられる」と語る。

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