「Windows XPを使い続けている企業は、Windows VistaをスキップしWindows 7に移行することになる。Vistaをスキップするのでハードルが上がる」。Windows 7への移行サービスを手掛ける、大塚商会の板垣 智和氏(技術本部 システム技術部門 テクニカルソリューションセンター MSソリューション課 課長)はこう警鐘を鳴らす。

 ハードルが上がるのは、Vistaをスキップしたことによって、XPからの変更点だけでなくVistaからの変更点も一気に対応することになるからだ。そのため、Windows 7へのバージョンアップには、Windows 95からXP、Windows NTからWindows 2000といった、これまでのバージョンアップの常識が通用しないことがある。実際にWindows 7への移行を経験した積水化学工業の原 和哉氏(コーポレート情報システムグループ 理事)は、「XPへの移行までは使えていたOSの展開方法が、Windows 7への移行では利用できず、現場が混乱した」と証言する。

 Windows 7への移行では、クライアントアプリケーションのバージョンアップも悩みの種になる。米MicrosoftのOfficeやInternet Explorer、Outlook Express(Windows 7では「Windows Live メール」が後継ソフトに該当)のバージョンアップでさえ注意が必要だ。

 多くの企業においてWindows 7への移行作業が本格化するのはこれからだろう。ここでは、既にWindows 7への移行を実施した現場や専門家への取材を基に、「やってはいけない」というアンチパターンを紹介する。効率的にWindows 7に移行する上できっと参考になるはずだ。

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