記事執筆時点の情報に基づいています。一部内容が古くなっていることをご了承下さい。

 今やパソコンに必須のセキュリティソフト。あなたはどの製品をお使いだろうか。もしかしたら「選択肢があまり多くない」と思っているかもしれない。ところが実際は、選択肢が少ないどころか、日本では20を優に超えるベンダーのセキュリティソフトが購入できる。

 各製品の“産地”を調べてみると、世界各国に散らばっている。米国産が最多というのは想像が付くかもしれないが、日本産はロシアやドイツ、チェコ、中国と同数しかないといった意外な事実も浮かび上がる。各社の製品の特徴も様々だ。知名度があまり高くない“知られざる”ベンダーが強力な、もしくはユニークな機能を持つ製品を出していることがある。

 この特集は、現在日本で入手できるセキュリティソフトが一堂に会するというもの。名付けて「セキュリティソフト万博」である。

パターンの危機をクラウドが救う

 最初に、世界各国から集結してきたセキュリティソフトの注目どころを見ておこう。

 最近は「クラウド対応」をうたうセキュリティソフトベンダーが目立つ。とはいうものの、クラウド対応が意味するところはベンダーによって違う。割とよく見かけるのは、“できたてほやほやの”パターンファイルをベンダーがクラウド上で公開しておき、パソコンにインストールしたセキュリティソフトがウイルスを検出する際に参照するという利用形態。パターンファイルは、完成後ユーザーのパソコンに配信されるまでに、どうしてもある程度の時間を要してしまう。その間に新種のウイルスの被害に遭うケースを最小限にするために、このようなアプローチを採るのだ。数は少ないが、パターンマッチングは全部クラウド上で実行するというセキュリティソフトも出現している。