2012年のキーワードは「決断」と「気概」。昨今の変動の激しい経済動向、競争環境、社会情勢、業界勢力図の変化や不測の事態など、日本企業は難しい決断を強いられる時代に直面している。一方で「決断をしないリスク」が過去に類を見ないほど高まっていることに警鐘を鳴らしたい。

 特にすさまじいパワーで成長を遂げている新興国市場で勝ち抜くためには、ビジネスを支える強靭な足腰を持つことがもはや当たり前。競争力の高い製品開発や、それを支えるITを含めた業務基盤の整備、優秀な人材の獲得などが欠かせない。

 この基盤に立脚した上で、総花的な対応に終始していた経営から脱却し、「アジアか世界か」「再教育かリストラか」「自前か共有か」「テコ入れか売却か」など、メリハリを効かせた企業の方向性を決断する時である。下した決断を冷静に分析し、ミスがあれば即座に修正する謙虚さと機動力も重要だろう。

 この決断を実行するには、経営者を筆頭に、社内外のすべての関係者が一丸となって変革をやり遂げる「気概」が重要である。これが競争優位に大きく貢献する。気概の根底を成す要素は、自社の「らしさ」であり、サービスや品質に対する「自信」だ。

 2012年、当社は日本で業務を開始して50年目を迎える。大転換期を迎えている日本企業が最良の決断を行い、気概を持てるようにすべく、我々の培った叡智を結集させ、世界に展開しているネットワークを活用して支援していく。過去50年間成長の場を与えてくれた日本に、いくらかでも恩返しをしたい。