2011年は、東日本大震災や原発事故、夏の電力不足が発生し、情報サービス産業業界も非常時への対応力や迅速な復旧、復興支援活動が求められた。社会インフラ化したITシステムを数多く支える当社は、社会的責任の重さを再認識した。

 事業面では、最大顧客である野村証券の「STAR-IV」導入が順調に立ち上がり、コンサルティング事業の復調、不採算案件の減少など明るい兆しも見えた。それでも業績面ではまだ伸びしろがあると考えている。

 2012年には、「IT資産の『所有』から、ITサービスの『利用』へ」というトレンドが本格化することは間違いない。クラウドを活用してシステム構築の迅速化やコスト効果を追求する動きは、一層強まるだろう。

 加えて、社会や企業にあふれる大量データから、事業や経営にとって本質的な情報を抽出し活用するビッグデータ対応についても、成果がより問われるようになる。

 ここ3年で、日本のITサービス市場は約1兆円縮小した。このトレンドは長期的に続くと思われるが、システム老朽化に伴う更新投資などの動きは活発化しており、当社が支援する機会が増えている。顧客の課題に的確に対応し、信頼を勝ち取っていきたい。

 所有から利用への流れが加速する中、当社はコンサル力とシステム力を結集し、金融分野だけでなく流通関連分野においても、「業界標準ビジネスプラットフォーム」の開発・運用に関する実績を上げていくつもりである。