<< [その6]へ<<

 メイン基板も取り出し、PS Vitaの分解も終わりが近づいてきた。今度は民生機器としては初めて搭載された静電容量方式の背面タッチ・センサの分解を試みた。とはいうものの、同センサは背面の筐体に貼り付けてあるようで、取り外すのは難しそうだ。

図1 背面タッチ・センサは背面の筐体に貼り付けてある
[画像のクリックで拡大表示]
図2 銅とみられる薄い金属シートは、外装シートと接着しているようだ
[画像のクリックで拡大表示]
図3 配線パターンを見られるようになった
[画像のクリックで拡大表示]
図4 米Atmelの「MXT224」
[画像のクリックで拡大表示]

 が、やはり気になる。そこでわずかな隙間にマイナス・ドライバーを差込み、丁寧に背面タッチ・センサを背面筐体から剥がしていく(図1)。

「メリ、メリ、メリ…」

背面タッチ・センサになるべく傷が付かないように、慎重にドライバーを動かす。

どれだけ時間が経過しただろうか。いや、長く感じただけで、実際はそれほどでもなかったのかもしれない。とにかく、背面筐体からタッチ・センサを剥がすことに成功した。

 が、目に飛び込んできたのは、銅とみられる薄い金属シート(図2)。この金属シートは、筐体背面の外装シートに接着されている。どうやら背面タッチ・センサの配線パターンを拝むには、筐体背面の外装シートから金属シートを取り外す必要があるようだ。マイナス・ドライバーを再び使い、今度は金属シートをメリメリと剥がしていく。マイナス・ドライバーの角で金属シートが破れそうになるので、先ほどよりも慎重に作業を進める。

 しばらくして、ようやく金属シートを剥がせた。さっそく配線パターンを見る(図3)。続いてタッチ・センサ用コントローラICを探す。米Atmelの「MXT224」が搭載されていた(図4)。同社サイトの情報によれば、位置データを250Hz超の高い頻度で検知できるもののようだ。スムーズなタッチ操作を目指したのだろう。

 これで背面タッチ・センサ部の分解をひとまず終え、次の分解作業に取り掛かる。