2011年は日本経済の歴史的な転換点となった。東日本大震災の甚大な被害に直面し、多くの企業は迅速な復旧・復興はもとより、電力不足への対応や抜本的な事業計画の再考に迫られた。しかも日本やタイの被災による世界のサプライチェーンの混乱、欧州危機に伴う金融不安や新興国の台頭など、ビジネスへの影響はグローバルに連動している。

 グローバル市場に参画し勝ち抜くために、日本企業は一層大きな変革が必要になる。市場拡大によるトップライン(売上高)の成長、事業の選択と集中による高付加価値事業への注力、バックオフィス改革を中心としたホワイトカラーの生産性向上によるコスト削減を同時並行で断行していくことが急務である。

 当社が創立75周年を迎える2012年は「ビッグ・アジェンダ」、すなわち顧客の大胆かつ抜本的な変革への支援の提案を強化する。ビジネスコンサルティングとソフトウエアを起点に、当社自身の変革経験と製品・サービスを統合して変革の実現を支援していく。

 IBMが2008年に提唱したビジョン「Smarter Planet」のもと、2011年は「都市のスマート化」とともに、「企業のスマート化」としてグローバル展開の基盤となる業務プロセスの標準化と統合を重点的に支援してきた。また、消費者接点やサプライチェーンのスマート化を支援する事業を本格化させ、これらを支えるクラウドやアナリティクスで多くの導入実績を上げてきた。これらの分野にも引き続き注力していく。