2011年は、数多くの自然災害の発生や、急激な円高の進行など厳しい市場環境の中、世界各国のグループが一つのチームとして協力して着実に事業を推進し、成果を上げることができた。

 「2012中期経営計画」の最終年度である2012年は、世界の枠組みが大きく変化する可能性がある。当社は世界の変化から新たに生まれるニーズをタイムリーに捉え、価値の高いビジネスを創造することで新たな一歩を踏み出していく。

 当社は、長年培ってきた社会インフラ技術と当社の有する最先端のITとの融合により、社会イノベーション事業に注力している。これにより、他社にはまねできない付加価値を提供できると考えている。重要な柱である情報・通信システム事業では、グローバルに展開しているストレージやコンサルティングを一層強化していく。同時に、堅牢なデータセンターを活用したクラウド事業やIT資産のバックアップなどにも注力する。クラウドは事業継続性の観点からもニーズが高まっている。

 一方、スマートフォン利用の急拡大などにより、個人から発信される情報が増加するとともに、鉄道などの社会インフラでも毎日大量の情報が生まれている。これらの大量の有用なデータ(ビッグデータ)を利活用できるようにし、新たなサービスの提供や社会インフラの高度化を実現する。こうした取り組みを通して「世界のメジャープレーヤー」へと変貌すべく、グループ一丸となって挑戦し続けていく。