2011年のセキュリティ分野のアクセスランキングは、スマートフォン関連の記事がトップ3を独占した。新たに登場した脅威への関心の高さが伺える。
アクセス首位はニュース記事の「『攻撃者の狙いは金銭』、スマートフォンを狙うウイルスが急増」だった。カスペルスキーのチーフセキュリティエヴァンゲリストが、スマートフォンに感染するウイルス(モバイルマルウエア)の動向について語ったものだ。攻撃者の行動原理として、モバイルマルウエアは金銭化しやすいという背景を解説している。有料SMSにメッセージを自動送信するウイルスなど、具体的な事例を交えて説明している。
2位と3位には、スマートフォンのセキュリティを解説した特集「モバイルセキュリティの新常識」の第1回と第2回が入った。この特集は第3回の記事が11位にランクインするなど、人気の高い特集となっている。スマートフォン関連の記事はトップ20のうち7本を占める。WindowsとWebのセキュリティが大部分となった2010年のランキングから大きく様変わりした。
4位につけたのは、2007年に公開された群馬大学工学部の片田敏孝教授のインタビュー記事だ。片田教授は防災の専門家で、東日本大震災で津波の直撃を受けた岩手県釜石市の防災教育を指導した。釜石市の小中学生はほぼ全員が避難でき、「釜石の奇跡」とも呼ばれた。インタビューは東日本大震災が発生する4年前の記事だが、防災に対する意識付けなど片田教授の思想がまとまっている。