Androidおよびソフト開発分野の2011年ランキングをみると、Android向けアプリ開発のすそ野が広がっていることが分かる。
ランキング上位には、「話題の携帯向けOS「Android」をx86パソコンで動かしてみよう」(1位)、「第2回 Androidアプリ開発、事始め」(4位)、「Androidの仕組みを知る(2)」(5位)、「Androidの仕組みを知る(1)」(6位)など、AndroidそのものやAndroidアプリの開発の基本を解説した記事が並ぶ。これらの記事は、いずれも2009年に書かれたもの。最新の記事ではないものの、Androidアプリ開発の基礎を紹介した記事に根強い人気があった。
2011年は、企業のスマートフォン導入が進んだ1年でもあった。企業システム向けの導入事例やノウハウを集めた「始まった業務アプリの開発」(13位)、「[1]スマートフォンが内線電話機に」(14位)といった記事が上位に名を連ねた。
ITproのランキングではAndroid開発関連の記事が上位に並んだが、既存の携帯電話向けのアプリ開発者としては従来の開発環境からスマートフォン環境への移行が気になるところ。著名な開発者が、iアプリなどモバイル機器向けJavaアプリの行方を議論した座談会の様子を紹介した「どうするどうなる!? Javaアプリ」(16位)にも関心が集まった。
2012年にはiPhone周りの動向に再び注目が集まる可能性がある。KDDIが10月にiPhoneを発売したのに続き、2011年12月1日には日経ビジネスが「ドコモ、来年夏にiPhone参入」を報じたからだ。この動向をみて、Androidアプリ開発に慎重姿勢を見せている開発者もいる(関連記事:「日本市場も世界市場と同質に、Android版アプリの開発へのリソース配分は慎重に」)。
スマートフォン関連のニュースに関しては、スマートフォンのランキングに集めた「[スマートフォン]AndroidとiOSが席巻、2012年はOS競争からサービス競争へ」も併せて参考にしていただきたい。
Android以外では、記者の眼「x86の全盛期は終わった」(2位)に注目が集まった。米インテルのx86アーキテクチャーの牙城に、英ARMのARMアーキテクチャーと米NVIDIAのGPU(Graphics Processing Unit)が割り込んできたことを報じたもの。パソコンでは盤石だったインテルに対し、省電力に優れるARMと処理能力に優れるNVIDAが「上下」から攻め込む構図だ。開発者にとっては、OSの競争と共にプロセッサの競争は気になるところなのだろう。