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 前回に続き、2011年12月17日に発売された携帯ゲーム端末「PlayStation Vita」のレビューをお届けする。後編となる今回は、無線LANや3G通信関連の設定など、Vitaのネットワーク機能を詳しく解説。日本通信の月額980円SIMを試した結果も報告する。さらにWebブラウザー、Twitterクライアントの使い勝手も検証してみた。

接続速度別に2種類の3G通信用APN設定を用意

 それでは、3G通信関係の設定である「モバイルネットワーク設定」について見ていこう。同項目をタップして開くと「モバイルネットワーク」「データローミング」「オペレーターからのお知らせ」「SIMカード設定」「オペレーター設定」「APN設定」という六つの設定メニューが並んでいる(写真23)。

写真23●モバイルネットワーク設定
写真23●モバイルネットワーク設定
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 ほとんどのメニュー項目は、PS Vitaを買ってしばらく普通に遊ぶ分にはほとんど触る必要がないものだが、モバイルネットワークとAPN設定の二つについては触りたくなるケースが出てくる。前者については、外出先で使うときや無線LANが使えないときなどに、PS Vitaが勝手に3G回線で通信するのを止めたい場合に使える(チェックを外すことで止められる)。

 初回限定版に付属するプリペイドプランの場合、接続可能時間が合計103時間なので、だらだらと3G通信をし続けると180日間の有効期限を待たずに使い果たしてしまうだろう。ホーム画面上にある「ネットワークオペレーター」アプリを使うことでNTTドコモのサイトに接続して利用状況を確認することは可能だが(写真24)、頻繁に呼び出すのは面倒である。ネット接続が不要な状態が長時間続くときや、無線LAN環境でのみ使用したいときは、自分で明示的に接続を禁止しておいた方がよい。

写真24●「ネットワークオペレーター」アプリを使うとNTTドコモのWebサイトに接続して3G通信の利用状況を確認できる
写真24●「ネットワークオペレーター」アプリを使うとNTTドコモのWebサイトに接続して3G通信の利用状況を確認できる
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 なお、PS Vitaには通信時間を管理できる単体アプリが現状用意されていないが(上記ネットワークオペレーターアプリは通信事業者のWebサイト経由で情報を入手しているだけ)、3G通信でやりとりしたデータ量については、設定メニューの「システム」-「使用量」からいつでも把握できる(写真25)。定額制サービスでもデータ転送量に上限があるケースや、使用時間ではなく使用データ量に基づく従量課金プランが今後出てきた場合などに役立つだろう。

写真25●設定メニューを「システム」-「使用量」とたどることで3G通信でやりとりしたデータ量を表示できる
写真25●設定メニューを「システム」-「使用量」とたどることで3G通信でやりとりしたデータ量を表示できる
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 「APN設定」メニューを開いてみると、「プリペイド」と「プリペイド(FOMAハイスピード)」の二つのAPN設定が最初から登録されている(写真26)。実は、初回限定版の「103時間」という利用可能時間は、通信速度の上限が下り128kビット/秒(上りは64kビット/秒)の接続が100時間分と、下り14Mビット/秒(上りは5.7Mビット/秒)のFOMAハイスピード接続が3時間という内訳になっている。

写真26●APN設定メニュー
写真26●APN設定メニュー
FOMAハイスピードを利用したい場合は、ここでAPN設定を切り替える必要がある
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 FOMAハイスピードによる接続可能時間は3時間と非常に短いが、これはあくまでも体験版という位置付けのためだ。FOMAハイスピードによる高速通信をメインで使いたい場合は、定額データプラン(月額1000~5985円の「スタンダードバリュー」または月額5460円固定の「フラットバリュー」)を別途契約する必要がある。