今回は、プロジェクトにおいて発生する“変更”をいかにコントロールするかという話です。

「設計書が変わっていたなんて聞いていないぞ!せっかくモノを作ったのにやり直しじゃないか」
「勝手にスケジュール変更したらダメじゃないか!そんなに伸ばしたら納期に間に合わないぞ」
「修正が多すぎてどれが最新の資料か分からない!どの資料を見ればいいの?」

 皆さんも似たような状況に遭遇されたことがあるのではないでしょうか。

 プロジェクトに限らずどのような仕事であっても、関係者間で共有されている内容に変更が発生した場合、そのコントロールがうまくいかずに上記のような問題が発生する可能性があります。その結果、作業の無駄や品質上のトラブルが起こってしまうのですが、影響はそれだけではありません。これが専門的な知識が不足しているために起こった問題であればまだしも、このような間違いは組織的に仕事を進める上での「初歩的な作法」の問題ですから、「なんでこんな簡単なミスを防げないかな~」と、メンバーの士気低下も引き起こしかねません。

 特に時間的なプレッシャーが常につきまとうプロジェクト型の活動では、「ま、わざわざ変更したことを言わなくても皆気付いてくれるだろう」と、初歩的な作法がおろそかになるケースは意外に多く、変更にまつわる問題が頻発する場合もあります。「当たり前だから」といって明確なルールを決めず、個人の判断・振る舞いに任されているとこのような事態に陥りますので、やはり、変更をコントロールするためのルールをプロジェクトとして決め、周知徹底しておくことが重要になるのです。