いよいよ“段取り”の次の段階、つまり“確認”に進んでいく訳ですが、そのためにまず3つの事柄について説明しておかなければなりません。

 実は、プロジェクトの計画書ができたからといって、「それじゃ、プロジェクト作業開始!!」と一筋縄にはいかないのです。はやる気持ちをクククッと抑えて、少しだけお付き合いいただけますでしょうか。

“確認”の方法はあらかじめ決めておく

 “確認”とは、計画に対し予定通りにプロジェクトが進んでいるのか、何か問題が起こっていないかなど状況をチェックし、ゴールに向かってプロジェクトをコントロールしていくことです。しかし、単に「どう?順調?」とメンバーに適当に聞いてまわっているだけで十分な確認ができる訳ではありません。

 プロジェクトをしっかりとマネジメントするためには、正確な情報を適切なタイミングで収集し、しかるべき関係者とプロジェクトの状況を把握・意思決定しながら手を打っていかなければならないのです。そのためには、確認の手順やルール、仕組みをしっかりと検討して定義しておくことが必要になります。

 この「確認のための方法」については、説明の便宜上これから“確認”として複数回にわたり見ていく訳ですが、実際にはプロジェクトの作業を始める前、つまり“段取り”の中であらかじめ定義して準備しておかなければなりません。プロジェクトの作業が始まってから確認の手順やルール、仕組みを検討していると非常に「慌ただしく」なってしまい、十分に練りこまれた確認の方法を確立することが難しくなります。

 プロジェクトの作業を開始するということは、同時に確認を開始することでもあります。基本的には“段取り”の中でプロジェクトの計画書と一緒に、確認の方法を決定しておきましょう。

作業の準備をしておく

 プロジェクトの作業を開始した直後によく起こりがちなのが、最初の作業のための準備が十分に整っていないためにいきなり遅延が生じるということです。例えば、最初の作業がある資料の作成だったとした場合、資料を作成するためのパソコンやソフトウエアが用意されていない、作業のための場所や机が確保されていないといった状態では、その準備に時間がかかってしまい肝心の資料作成作業をなかなか始めることができませんよね。

 スケジュールの後ろの方にある作業については、プロジェクトの作業を進めながら並行して準備を行うことも可能ですが、最初にある作業は事前に準備を済ませておくことがポイントとなります。