新年明けましておめでとうございます!

 本年も、皆さんの仕事に当連載を役立てていただくため、プロジェクトマネジメントの考え方をシンプルで分かりやすく解説できるよう頑張ります。引き続きお付き合いいただきますよう、よろしくお願いします。

やっぱり段取り八分なのです

 今回より具体的なプロジェクトマネジメントの手順を見ていく訳ですが、最初は「段取り・確認・振り返り」の「段取り」から考えてみましょう。

 段取りとは、すなわち計画を立てて、必要な準備を行うことです。皆さんも「段取り八分」という言葉を聞かれたことがあるのではないでしょうか。段取りをしっかりやっておけば、その仕事の8割は完了したようなものであるという意味で、プロジェクトマネジメントにおいてもこれはやはり非常に大切なものになります。

 なぜ段取りが肝心なのでしょうか。もちろんプロジェクトを効率的に進めるため、と言うのが大きな理由ですが、他にも重要な効果を得ることができます。

 まず、段取りをきちんと組むことによってプロジェクトの見通しが事前に把握できるようになります。専門的には実現可能性(フィージビリティー)が確認できると言いますが、仕事のために多くの時間やお金を使うからには、「成功するか失敗するかまったく読めませんが、とにかく着手します!」ではOKが出るはずもありません。十分に練られた段取りは、そのまま「この仕事は成功しそうだね!」と言う根拠として示すことができるのです。

 また、段取りは人や組織が成長するためのベースになるもの、と考えることもできます。言うまでもなく、成長のためには仕事を通じて様々な教訓を得て、次の改善に繋げていくことが重要です。そして、この教訓を得るためには「予定」に対する「実績」のギャップ、つまり問題点が把握できるようになっていることが不可欠です。ギャップがなぜ生れたか(または、なぜギャップが生じることを防ぐことができたか)を分析し、理由を追求することにより多くの教訓が得られるのです。段取りは、そのために「予定」をハッキリさせておくことためにも必要なものです。いきあたりばったりで進めていると、プロジェクトが上手く進んだとしても、それが「たまたま問題が起こらず成功した」のか、「問題を乗り越えて成功できた」のかが分かりません。これでは十分な教訓を得ることができないのです。