今年の3月、東日本大震災とその数日後に発生したみずほ銀行の大規模システム障害で、世間が騒然となったのは記憶に新しい。経営分野の2011年アクセスランキング(ニュース記事を除く)も、その影を色濃く映している。
アクセスランキングのトップ『【日経コンピュータReport】みずほ銀行、障害の発端は人為ミス』と第2位『【みずほ銀障害の全貌判明、懸案はCIO人事】重なった30の不手際』は、3月14日夜から24日にかけて発生した、みずほ銀行システム障害の原因を追究した記事だ。
障害の発端は、東日本大震災の義援金受付口座に対する振り込み処理が滞ったことだったが、たび重なる人為的なミスがトラブルを大きくしてしまった。また、根本的な原因として、老朽化したシステムの刷新を怠るなど、経営陣のITガバナンスの欠如も指摘されている。これらの問題は、多くの企業にとって決して対岸の火事ではないはずだ。
東日本大震災に多かれ少なかれ関連した記事は6本ランクインした。第4位の『【記者の眼】「想定外」が無くならない真の原因』や第7位『【ダメな“システム屋”で終わりますか?】優秀な人が非常時にダメになる理由』など、BCP(事業継続計画)の見直しや非常時のリーダーシップについて言及した記事が特に注目された。
ランキング第3位は『【記者の眼】日本のIT技術者はもういらない?』。中国やインドでのオフショア開発が急速に進み、「日本のIT技術者の雇用は今後どうなるのか」という視点でIT業界の構造変化を論じている。
同様に、第6位の『【田中克己の針路IT】自己変革できないNECに、再生をかけた最後のチャンス!』では、大手ベンダーであるNECの視点から構造変化に適応していくことの難しさを述べている。第11位の『【真髄を語る】日本のソフトウエア産業、衰退の真因』は、現在のIT業界の危機につながる原因を明快に説明している。
今年も厳しい一年だったが、後半からは明るい兆しも見え始めた。来年(2012年)はいよいよ国内IT投資が上向くと予想する声が多い。期待しよう。