前回はソーシャルメディアを活用するためのツールが登場してきているという話をした。今回からは、これらのツールについて具体的に比較していこう。

 この特集で具体的に取り上げるツールは以下の4つである。

●Buddy Media(米Buddy Media開発、サイバー・コミュニケーションズが販売):欧米では最も普及しているツールの1つ。グローバル企業が各国のFacebookページを一括で管理できる。例えば、香港のFacebookページ上で、香港ユーザーだけに指定する特定のコンテンツを見せることが可能だ。

●CoTweet(米Exact Target開発、NTTコミュニケーションズが販売):もともとはTwitterアカウントを管理するツールとして開発されたが、日本での販売を機にFacebookにも対応。ツールはシンプルで使いやすい。

●Engage Manager(トライバルメディアハウス開発・販売):トライバルメディアハウスが日々企業へコンサルティングをするなかで培った知見を生かした開発されたツール。多機能かつ高性能。

●sociobridge(リード・レックスが開発、電通レイザーフィッシュが販売):日本マイクロソフトと電通レイザーフィッシュが開発を支援したツール。Windows Azure Platform上で構築・運用できるようになっており、複数の担当者がより使いやすく管理できるよう設計されている。

各ツールの強みははっきり分かれる

 最初にこれら4つのツールのもつ強みと弱みから、大まかな位置づけをはっきりさせよう。この4つのツールは、その特徴から比較的はっきりと分かれている()。

図●主要ソーシャルメディアアカウント管理ツールの比較
図●主要ソーシャルメディアアカウント管理ツールの比較
バブルチャートの大きさは、搭載する機能の豊富さを示している。
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 例えば、BuddyMediaはコストが高いものの、Facebookページやアプリの制作機能に強く、操作も柔軟かつ容易である。そのため、Facebook上で頻繁にキャンペーンを実施し、カスタムページやアプリ制作が必要な大企業には最適のツールといえるだろう。

 一方、CoTweetはTwitterアカウントの管理に強みを持つ。欧米ではスターバックス、マクドナルド、マイクロソフト、日本ではアスクルととったソーシャルメディアをフル活用する企業に活用されている。

 Engage Managerは、この価格帯としては高機能であり、Facebook、Twitterともにかなりデータが取得でき、かつポジショニングマップやグラフチャートで見やすい画面設定が魅力だ。もちろん投稿管理にも細かく対応している。

 sociobridgeは現状、Facebook運用支援として機能をフォーカスしている。それにより、コストを抑えている。単なる運用管理ツールではなく、Facebookページの作成機能も備えているのが珍しい。