「AndroidはスマートフォンとタブレットのOS」という認識はまもなく過去のものになるかもしれない。Androidを様々な機器に頭脳として組み込む動きが急速に進んでいるからだ。ひとつのきっかけはGoogleが2011年5月に発表したADK(Android Open Accessory Development Kit)である。Android搭載端末向けの周辺機器を誰でも自由に開発できる仕組みだ。

 ロボット、洗面台、扇風機、野菜工場、楽器、天体観測、ペットの監視と給餌、アート---Androidを組み込んだ様々な機器が、実際に作られ始めている。

機器の頭脳としての高いポテンシャル

 Androidはコモディティ化してきて安価な端末も入手できるようになった。技術者人口も増えてきた。機器のコントローラとして有利な条件をいくつも備えるようになっている。さらには通信機能や加速度センサー、GPSを標準で備え、音声認識やソーシャルサービスとの連携も容易だ。これまでの組み込み機器の枠を超えた用途も考えられる。

 2011年5月に米国で開催した「Google I/O 2011」では、ADKによりAndroidでロボットはもちろん、巨大な迷路を操作したり、野菜工場を制御したりするデモが展示された(GoogleがAndroid向け周辺機器を自由に開発できる「Android Open Accessory」を発表、開発キットを日本のロボット・メーカーが提供)。

写真●タブレット端末で操作できる巨大迷路。台の上の人がタブレット端末を傾けると、それと同じように迷路が傾く
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 Google I/O 2011に参加したuPhyca 代表取締役 あんざい ゆき氏は、「Androidは電話の枠を超えた」と表現する(関連記事:「Androidは電話の枠を超えた」---女子部副部長が見たGoogle I/O 2011)。

写真●ブリリアントサービスの野菜工場の実演
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