ソフトそのものの料金である「ライセンス料金」についても、大きな変化が起きている。具体的な動きは二つある。

 一つめは、インテルの大型サーバー用プロセッサ「Itanium」向けのライセンス料金の変化だ。

 日本オラクルは2010年12月、Itanium向け製品のライセンス料金を2倍に引き上げた。Itanium向け製品のライセンス料金を決める係数を、「0.5」から「1.0」へと変更したのである。対象はItaniumの最新版「9300番台」だ。2010年12月以降にユーザー企業が購入した製品に適用する。

 日本オラクルは、複数のコアからなるプロセッサ(マルチコア・プロセッサ)の種類に応じて、係数を独自に設けている。この場合のライセンス料金は、プロセッサのコア数を基に、二つの要素を掛け合わせる。オラクル製品の1コア当たりの単価、プロセッサごとの係数、である。

 日本オラクルが定めている係数について見てみると、4コアのItaniumと同じく1.0であるのは、日本IBMの「POWER6(2コア)」「同7(8コア)」だけだ。日本オラクルが開発する、あるいは搭載サーバーを販売しているプロセッサの係数は、すべて0.75以下である(図1)。

図1●オラクル製品のライセンス料金を決める係数の例
図1●オラクル製品のライセンス料金を決める係数の例
サーバーが搭載する物理プロセッサの総コア数などに同係数を乗じて、ライセンス料金を算出する。
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