AndroidアプリがiPhoneアプリを超えそうな勢いで増加している。2011年12月6日、Android Marketからのアプリダウンロード数が累計100億件を突破したというGoogleの発表は、全世界で注目されるニュースとなった(図1関連記事)。

図1●Android Marketの累計ダウンロード数

iPhoneよりも速い、Androidの100億ダウンロード到達ペース

 特筆すべきは100億ダウンロード到達の速度だ。iPhoneアプリが100億ダウンロードを達成したのは2011年1月22日。App Storeサービス開始の2008年7月10日から2年半強かかっている。対してAndroid Marketは約3カ月遅れの2008年の10月23日に開始され、2年強で100億ダウンロードを達成した。

 iPhoneが他のスマートフォンに先駆けてアプリ市場を開拓し牽引したからという見方もあるが、この伸び率で単純に計算をすればAndroidアプリのダウンロード数がいずれiPhoneアプリを超えても不思議ではない状況になっている。

 このことで、これからのスマートフォン市場拡大への期待に一気に弾みがついた。しかし、それと同時にいくつかの課題も見過ごせなくなっている。

 Androidアプリ増加の背景には、Android端末の普及が進んだことが挙げられる。既に知られているように、出荷台数やスマートフォンOSのシェアでAndroidはiOSを抜いている。各キャリアの2011年の春夏・秋冬モデルから初めてAndroid端末を手にしたユーザーが増加し、アプリへの関心・ニーズも高まったことが推察される。

 また、それに伴い企業から個人までアプリの提供が増加したことも、Androidアプリ市場が活性化しダウンロード数を伸ばした理由の一つと考えられる。

 2011年はまさにAndroid端末やアプリが最初のブレイクを迎えた年だった。2012年は、これまで様子見であったり、関心が薄かったフィーチャーフォンユーザーもAndroid端末に機種変更していく次の波がやってくるだろう。

 筆者の所属するメディア「appliko(アプリコ)」編集部は、まさにこの1年のブレイクまでの流れをAndroidアプリを通してウォッチしてきた立場にある。

 2010年12月21日にサービスを開始し、Android端末、アプリの情報を中心に、その他スマートフォン関連の情報を提供。以降2011年12月9日現在までに、掲載アプリ数4528件、アプリレビュー記事3267件、そのほか端末のレビュー記事やアクセサリ情報、ニュース、特集記事などを、各種デバイス(PC/スマートフォン/アプリ)で提供している。このapplikoとユーザー動向・市況の分析から、いま、今後のアプリ市場を考察する。