Androidはもうひとつの未知の領域へと進出しようとしている。企業情報システム、すなわちエンタープライズAndroidである。決め手になっているのは、多様さと柔軟性である。防塵性や耐障害性に優れたもの、安価なもの---Android端末には様々な種類があり、業務に適したものを選択できる。またオープンソースであるAndroidは、ユーザー企業が改変できる余地が比較的大きく、企業が求めるセキュリティなど様々な機能を盛り込みやすい。

QRコードを読み込み業務効率向上

 ここへ来てAndroidを採用した事例が続々登場してきている。

 中古車チェーン大手のカーセブンディベロプメントはAndroidを利用した中古車査定システム「インスマートシステム」を稼働させた。買い取り店舗に持ち込まれた車の車検証に印刷された5つのQRコードを、スマートフォンが備えるカメラで撮影し、車種や型式、生産日といった中古車の基本情報を読み込むことで、電話やファクス、電子メールを使った従来の方法と比べ、査定時間を3~4割短縮できるという(関連記事:カーセブンディベロプメント,スマホで査定時間を3~4割短縮)。

写真●カーセブンディベロプメントの中古車査定システム「インスマートシステム」
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現場で動画撮影、本社と共有

 通信事業者向け施設の設備建設を手がける愛知県のシーキューブは、工事の現場の状況を事務所で把握するための動画送信ツールとしてAndroidスマートフォンとAndroidタブレット端末を利用している。工事の際には、現場の担当者が本社などの事務所のベテラン技術者に、配線や部品の扱い方などを相談する(関連記事:シーキューブ,工事状況の動画をAndroid端末からリアルタイムで送信)。

写真●シーキューブでのAndroidタブレットによる工事現場動画撮影
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