世界規模でAndroidの普及が拡大している。Googleによれば、Android端末が増加するペース(アクティベート数)は2011年7月時点で「1日55万台」、つまり2日に100万台以上のペースで端末が増えている。

 端末の増加ペースは、2010年2月には「1日6万台」だった。それが2010年12月には「1日30万台」になり、2011年7月に「1日55万台」となった。単に急ピッチで端末台数が増えているだけでない。その増加率が急増しているのである(関連記事:Google Developer Day 2011 Tokyoのメッセージを読む)。

写真●Androidの1日あたりのアクティベーション数の推移。増加ペースは加速している

 第三者による数字も見てみよう。日本国内市場を対象としたMM総研の調査では、2011年度上期(4月~9月)のスマートフォン出荷台数は前年比4.5倍の1004万台となり、携帯電話全体の総出荷台数のうち49.5%を占めた。スマートフォンのOS別シェアは1位がAndroidで79.6%。2位がiOSで18.7%だった(発表資料)。

図●2011年上期2011年度上期(4月~9月)の国内スマートフォン市場シェア
MM総研の発表資料より引用

 世界市場を見ると、2011年第3四半期(7~9月期)のスマートフォンの販売台数は1億1500万台(米Gartner調べ)。そのうちAndroidスマートフォンは6049万台で、シェア52.5%と過半数を占めた。四半期で約6000万台、同じペースが続くと仮定して単純に4倍しても年間で2億4000万台──恐るべき数字である。これがAndroid端末の増加ペースなのだ(関連記事:2011年Q3の世界スマートフォン市場、「Android」のシェアが5割超える)。

図●2011年第3四半期の世界スマートフォン市場シェア
米Gartner調べ(関連記事

 Androidに関する数量の多くが、こうした「指数関数的」な伸びを示している。Androidアプリの世界も同様だ。Googleの発表によれば、この2011年12月、Android MarketからのAndroidアプリのダウンロード数が累計100億件を突破した(関連記事:Android Marketのダウンロード数が100億件突破)。

写真●Android Marketの累計ダウンロード数

 現在の普及のペースから想像して、ほんの数年後には世界中で10億台規模のAndroid搭載デバイスが出回ることになる可能性がある。現時点ですでにAndroid搭載機器には幅広いバリエーションがある。2インチ台の画面を備えた小型のスマートフォンもあれば、4.5インチ、4.65インチといった大画面のスマートフォンもあり、さらに10.1インチ画面を備えるタブレットも製品化されている。将来は、こうした多様性はさらに広がるだろう。マルチコアプロセッサ搭載の高速なAndroid端末により、パソコンが担っている用途の多くが代替可能となっているかもしれない。一方、開発途上国の消費者を対象としたきわめて低価格の端末も出てくるだろう。ほんの少し前の常識では想像できないような世界が今後は待ち構えている──そう考えた方が良さそうだ。