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 iPhone 4/4Sを分解するには、まず底面の二つのねじを外す必要がある。この段階になって初めて、このねじを外すドライバーを準備していなかったことに気付いた。iPhone 4/4Sでは、安易な分解を防ぐため、ここには星型のねじ穴を持つねじ(トルクス)が使われている。しかし、手持ちのトルクス・ドライバーは大きすぎて、このねじ穴に合うものがなかった。

 本来なら事前に準備しておくべきだった。タブレット端末「iPad 2」の分解時に前面ガラスを破損したときと同じく、準備不足を痛感した(Tech-On!の関連記事)。ただ、このねじを外さない限り分解は進まない。「以前、iPhone 4を分解した際にはマイナス・ドライバーをねじ穴に差し込み、力ずくで無理やり回した」と聞き、同じ方法を試してみることにした。

 まず、iPhone 4でこの方法を試してみたところ、思いの外簡単にねじが外れた。「この分ならiPhone 4Sも楽勝だ」と思ったが、甘かった。マイナス・ドライバーでいくら回そうとしても回らないのだ。回そうとすればするほど、ねじ穴がどんどん削れていく。そうこうしているうちに、何とか少しねじ頭が浮いてきた。そこをペンチでつかんで回すことで、ようやく外すことができた。分解班は1個でギブアップ。2個目のねじは、分解に協力してくれた部品メーカーの技術者に外してもらった。

 外したねじを比べてみたところ、iPhone 4Sのねじの方が青いねじロック剤が多く使われているように見えた。これが理由でねじが固かったようだ。トルクスねじの使用もそうだが、「安易に筐体を開けてほしくない」という米Apple社の意図が感じられた。

 ねじさえ外れれば、裏蓋は簡単に開けられる。裏蓋を外したiPhone 4とiPhone 4Sを並べて置いてみると、内部のコンポーネントの配置はとてもよく似ていた。しかし、どことなく違う印象を受ける。技術者がその理由に気付いた。「電池の幅が違いますね」。

裏蓋を外した状態での比較。左がiPhone 4、右がiPhone 4S
裏蓋を外した状態での比較。左がiPhone 4、右がiPhone 4S
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