「マチのほっとステーション」でおなじみのローソンは、テレビCMや店舗で展開されるユニークなプロモーションのノウハウを、16のソーシャルメディア(SNS)に活用している。現在主要SNSランキングで軒並み上位にランクインするローソンの秘策を見てみよう。
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ローソンを“SNSの達人”に仕立てているのは、広告販促企画部の社員たち。彼らにとってSNSは、単なる売上アップ目的のプロモーションツールではない。そこには同社の新浪剛史CEOが提唱する“Consumer Generated Merchandising”という、小売業の新たな価値観を体現しようとする強いモチベーションが垣間見える。トップのポリシーをスタッフ一丸となってカタチにしていく組織力と実行力について、広告販促企画部 アシスタントマネジャーの白井明子氏に聞いた。
1999年ローソン入社。直後に大阪・松原の店舗に配属され、2年半店長を務めたのち東京本社に転属。2005年より広告部にてマスメディアを中心とした広告・プロモーションを担当。2008年に法政大学大学院を修了し、2009年よりWebマーケティングの強化に着手。『リラックマフェア』ほか、話題性のあるプロモーションを仕掛けるヒットメーカーでもある。現在は公式サイトやSNSで情報発信を担当するかたわら、エンタメコンテンツとWebプロモーションを担当。「ローソンクルー♪あきこちゃん」のキャラクターをたてて、ダイレクトな顧客ニーズの把握に努めている。
営業計画とSNS戦略を販促の両輪に位置付け
ローソンのFacebookをはじめとするSNSにかかわる業務は、広告販促企画部で展開しているそうですね。ちょっと面白いケースだと思います。
広告販促企画部は、名前のとおりに広告と販促を主としていますが、最近はそのエリアにとどまらなくなっていて、どんどん業務が増えてきているのが現状です。部署内はオリジナルデザートのブランド「ウチカフェスイーツ」の販促などを担当するブランディングのセクションと、ポイントカードのPontaを運営している部隊、そして私のいるエンタメ・ウェブ担当に分かれています。
販促に力を入れているローソンだけに、現場の販促とSNSを司る機能が近くにあるほうが運用しやすい、という判断でしょうか?
それはありますね。広報のセクションでSNSを担当される企業もあると思いますが、ローソンに関しては営業計画のコントロールをしているのが広告販促企画部だったというのが大きいです。
逆に言えば、企業のスキームや組織をきちんと確立しないと、SNS上で表現したいことができない。仕組みの中にしっかりと入れ込むことがはじめの一歩だったとも言えそうですね。
ローソンに限ってはそうなります。販促とソーシャルが足並みを揃えないと、情報発信のタイミングを誤ってしまうこともありますし、いざ始めたもののうまく続かないということにもなりかねないので。