前回まででプロジェクトマネジメントの全体像がなんとなくつかめたと思いますが、ここで少し目先を変えて「プロジェクトマネジメントと組織の関係」について考えてみたいと思います。

 多くのプロジェクト活動は企業や団体と言った組織の中(または複数の組織を跨いだ体制)で進められる訳ですから、個々のプロジェクトのマネジメントと組織としてのマネジメントの関係性を考えておく必要があるのです。

えーと、つまり?

 例えばあなたが住宅販売会社「PMホーム株式会社」の営業部員で、「マイホームを建てたい」と言うある顧客からの依頼を担当することになったとしましょう。あなたはこれをプロジェクト活動と捉えますが、同時にこの活動は企業としての組織活動の一環でもあり、あなたは上司に対して活動状況を定期的に報告し、また自分で判断出来ない問題が起こった場合には相談をしなければなりません。一方、もしあなたが上司の立場だった場合には、部下の営業部員たちが進める複数のプロジェクト活動をまとめてマネジメントすることになります。

 このような場合には、プロジェクト活動とそのマネジメントが、組織活動と組織のマネジメントに「内包された関係性」を持っており、当然のことながらこの2つのマネジメントが相互に連動した動きになっていなければなりません。その連動がうまく機能しなければ、個々のプロジェクトにとってはもちろん、組織としての大きな問題が起こる可能性があるのです。

 では、何が必要なのでしょうか。プロジェクトと組織のマネジメントをリンクさせるためには様々な「仕掛け」を用意しなければならないのですが、特に考えるべきポイントは以下の3点です。