「プロジェクト」と聞くと、その単語になじみのない方は、超高層タワーを建てたり、人類を月に送り込んだりといった大掛かりな事業をイメージされることでしょう。しかし、プロジェクトとは単に「ある期間の中で独自の成果を生む活動」を指す言葉に過ぎません。ちょっと難しいかもしれませんが、言い換えれば、始まりと終わりがあり、これまでと異なる「新たなチャレンジ要素」を持った活動がプロジェクトと言うことになります。

 例えば、新しい販促イベントの開催や業務の改善、農業であれば新しい作物を植え付けて収穫する活動などはプロジェクトと呼ぶことが出来ます。仕事に限らず言えば、家族旅行や受験勉強だって立派なプロジェクトなのです。そこに「○○プロジェクト」と名前が付いていなくても、そしてプロジェクトであることと意識していなくても、あなたは日々プロジェクトと付き合っているのです。

 ここで、「受験勉強のように一人で行う活動もプロジェクトと呼べるのか?」と疑問を持たれた方がいるかもしれません。確かにプロジェクトという言葉を組織的な活動に限定して使う場合もありますが、ここではあまりこだわる必要はありません。なぜなら、この連載でテーマとしている「プロジェクトマネジメント」は、そのような一人で行う活動に対しても十分活用出来る考え方や手法だからです。