写真1●Tegra 3のスペック
写真1●Tegra 3のスペック
Tegra 3は、Tegra 2よりも高性能ながら、省電力であるのが特徴である。右はダイ写真。中央に見える黄色い部分がCPUコア。出典:米NVIDIAの資料より抜粋
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●Tegraシリーズのロードマップ
写真2●Tegraシリーズのロードマップ
Tegra 3のコードネームはKal-El。出典:米NVIDIAの資料より抜粋
[画像のクリックで拡大表示]

 米NVIDIAは2011年11月8日(現地時間)、最新のスマートフォン/タブレット用プロセッサである「Tegra 3」を発表した(写真1)。これは、同社が今年発表したロードマップのなかで「Kal-El」というコードネームで呼ばれていたものである(写真2)。実際にTegra 3を搭載する製品としては、台湾ASUSTeK Computerが12月に発売する予定の「Eee Pad Transformer Prime」(Eee Pad Transformerの後継機)が最初となる。

 強化点は、プロセッサが英ARMの「Cortex-A9」のクワッドコア(4コア)となった点とGPUの高速化である。Tegra 2はCortex-A9のデュアルコア(2コア)だったので、CPUの数が2倍になったことになる。さらにGPUを3倍高速化したことによって、NVIDIAはTegra 2よりも“5倍”の性能があるとしている。

写真3●Tegra 3が導入したVariable SMPの概要
写真3●Tegra 3が導入したVariable SMPの概要
スペックとしては4コアだが、「Companion Core」として低消費電力プロセスで作った五つめのCortex-A9コアを実装している。出典:米NVIDIAの資料より抜粋
[画像のクリックで拡大表示]

 Tegra 3は性能がTegra 2よりも向上しているだけでなく、コア数が増えたにもかかわらず省電力も実現している。Tegra 3が採用した省電力技術が「Variable SMP」である(写真3)。これは、低消費電力プロセスで作った五つ目のCortex-A9コアを使い、システムへの負荷が低い場合には、このコアでのみ動作させることで、より消費電力を小さくする。この五つ目のコアを「Companion Core」(コンパニオンコア)と呼ぶ。