これまで本連載では、「IE9」「Office」「Zune」「カメラ」など、IS12Tの主要な機能を検証してきた。今回は「Windows Phone Marketplace」に焦点をあて、IS12Tとアプリを取り巻く環境について見ていきたい。
Windows Phone向けのアプリを配布するMarketplace
iPhone、Androidをはじめとする他のスマートフォンと同じく、Windows PhoneにもMarketplaceというアプリ市場がある。
「Windows PhoneのZune機能を検証する」で取り上げたように、音楽やポッドキャストを扱っているZune Marketplaceは海外向けにのみ提供されている。だが、アプリを扱うWindows Phone Marketplaceは、Windows Phone 7.5のリリースに合わせて日本にも対応している。
Windows Phoneのアプリは、原則としてMarketplaceからのみ入手可能である。これは、iTunes App StoreからしかアプリをインストールできないiPhoneと似た仕様といえる。Androidでは任意のサイトからアプリをインストールできるように設定できる端末も少なくないが、Windows Phoneにはこのようなオプションは存在しない。
4万以上のアプリが登録されている
Windows Phoneに登録されているアプリ数として紹介される数字はいくつかあり、4万以上と説明されることもあるようだ。また、日本市場向けのアプリは1万以上といわれている(表1)。
項目 | アプリ数 | 備考 |
---|---|---|
Marketplace アプリ総数 | 約3万5000 | 10月14日時点では約3万 |
アメリカ市場向け | 約3万3000 |   |
日本市場向け | 約1万4000 |   |
日本語対応済み | 約500 |   |
まず、11月14日現在でWindows Phone Marketplaceに登録されているアプリの総数は約3万5000である。アプリの中には公開後に非公開になったり、削除されたものも存在する。それらを累積すると4万以上という数字になるのだ。
また、1カ月前の10月14日時点のデータを調べたところ、総数は約3万個だった。単純計算で、1日あたり約150個のペースで増加していることが分かる。
この中で、日本市場向けのアプリは11月14日現在で約1万4000個となっている。米国と比べて大きな差があるのは、Marketplaceのアプリが国や地域ごとに管理されているためである。ユーザー視点で見ると、Windows Phone端末に最初に設定したLive IDが属する地域によって、入手できるアプリが異なるのだ。
前バージョンであるWindows Phone 7は、英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語の5カ国語に対応してリリースされた。その後、Windows Phone 7.5で日本語を含む多くの言語に対応した。だが、Windows Phone 7.5以前にMarketplaceに公開されたアプリは、自動的に新しい市場に対応したわけではない。開発者が「日本市場向けにアプリを配布する」と明示的に設定変更する必要がある。
このような経緯があるため、日本市場向けに公開されるアプリは増加しつつあるものの、依然として欧米向けに比べると差があるのが現状だ。これは日本だけでなく、台湾やオランダ、ロシアなど、Windows Phone 7.5で新しく対応した地域で共通にみられる傾向となっている(図1)。