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「ソーシャルメディア担当」に求められるスキルソーシャルメディア方面の戦略を推進する企業が増えてきている中、それに伴い企業にも「ソーシャルメディア担当者」が増加している。だが、一言で「ソーシャルメディア担当者」といっても、その業務内容や求められるものは企業によって様々なものになるだろう。 たとえばTwitterやFacebookページ上で直接顧客とコミュニケーションを取ることを主たる業務としている方もいるだろうし、ソーシャルメディアを利活用したキャンペーンを企画運営している方もいるかもしれない。あるいは「ソーシャルメディアポリシー」を整備し、社内にガバナンスを働かせるために動いている「ソーシャルメディア担当者」もいるだろう。
個人の延長で担当を任せるのは適切でないこともさて今回は、この「ソーシャルメディア担当者」について、このポジションに求められるスキルセットについて考えてみたい。 多くの場合、企業の「ソーシャルメディア担当者」は“ユーザーとしてソーシャルメディアを積極的に使用しているヘビーユーザー”となるのではないだろうか。もちろん、一人のユーザーとしてソーシャルメディアを日常的に使っていることが必要なのは間違いないが、求められるスキルセットは決して「ソーシャルメディア経験」だけではない。 特に日本の企業において「ソーシャルメディアマーケティング」と言われているものは、最初に「個人」ベースで走り始めた活動が結果的に「施策」に発展してしまっているものが少なくない。これまであちこちで語られている「事例」の背景を考えても、「組織」よりも「個人」にフォーカスされたものが多かったように思える。 そして、このような形で最初に走り始めた「個人」が、そのまま企業の「ソーシャルメディア担当者」としてアサインされていくパターンとなっているのが、これまでの多くの流れだろう。だが実は、これが結果的に見てマイナスとなってしまう可能性もある。 企業が自分たちのビジネスにソーシャルメディアを利活用するということは、決してソーシャルメディアを使うことが、最終的な目的ではない。まず、自分たちのビジネス上に何らかの課題が存在しており、それを解決していくためのツールとしてソーシャルメディアが使われていくことが大前提となる。 つまり企業の「ソーシャルメディア担当者」は、ソーシャルメディアのエキスパートである以前に、当然だが、まず自分たちのビジネスと、その課題をきちんと理解していることが求められる。たとえばマーケティング方面にソーシャルメディアを使っていくのであれば、マーケティング分野における基礎的なスキルが伴っている必要があるし、コーポレート・コミュニケーションなど、その他の分野でも同様だ。
3つのスキルを兼ね備えることが必要こういった基礎的なスキルを土台にし、その上に積み上げていく形で「ソーシャルメディア的なスキル」を乗せていく形が理想となるが、この「ソーシャルメディア的なスキル」をより細かくブレイクダウンしてみよう。少なくとも、以下の3つが考えられるはずだ。
これらのスキルを、それぞれきちんと持ち合わせていれば、「ソーシャルメディア担当者」として、そして全社的なソーシャルメディア戦略のリード役となる。いわゆる「ソーシャルメディアリード」として、十分に戦略をドライブしていくことができるだろう。もちろん一人の担当者が、これらのスキルを一通り有していなかったとしても、前回触れた「協調型組織」、つまり「ソーシャルメディア委員会」的な組織の中のメンバーが、それぞれ足りないスキルを補うことで、これらを満たすことができれば問題ない。 だが、現在の状況を見ていると、いわゆる「ソーシャルメディア担当者」であっても、これらのスキルの中の1.の「コミュニケーションスキル」に偏っているような気がしてならない。これは、先ほども言及したように、まずソーシャルメディア上で一人のユーザーとして積極的にコミュニケーションを取り、ソーシャルメディアのヘビーユーザーとなっている担当者個人の動きが結果的に企業の施策や戦略として発展していることにも端を発すると思われる。 もちろん、ソーシャルメディア上でのコミュニケーションに長けていることは必須事項だが、その他のスキルセットも考えた上で、適切なチーム構築、およびリード役の選出を考えていきたい。
熊村 剛輔(くまむら ごうすけ) バーソン・マーステラ リード デジタル ストラテジスト 1974年生まれ。早稲田大学卒業後、プロミュージシャンを経てIT業界へ。リアルネットワークス、コールマン・ジャパンなどを経て、マイクロソフト(当時)に入社。2009年より同社の「ソーシャルメディアリード」として、ソーシャルメディアマーケティング戦略を確立させたのち、2011年2月よりバーソン・マーステラに入社し、リードデジタルストラテジストを務める。 |