政界では一気に復旧・復興に向けた補正予算策定が始まって、第1次は2011年5月2日、第2次は7月25日に組まれた。この連載がスタートする頃には第3次補正予算も可決されているだろう(編集部注:11月21日付で成立)。

 第1次/第2次補正予算と第3次補正予算には大きな違いがある。ようやくICTの出番がやってくることだ。補正予算のICT関連は追加予算であるから、IT業界としてはありがたい話だ。

 2012年度概算要求を見ても復興や災害対策目的のICT関連予算は大幅に増強され、既存システム予算の縮小を補って余りある規模となっている。国に貢献しながらビジネスを拡大できる「復興特需」がきたわけだ。

2011年度第3次補正予算の省別動向

 本格復興を目指す2011年度第3次補正予算は合計12.1兆円規模である(図1)。97%が東日本大震災関係経費で、残りは災害対策費とB型肝炎関係経費だ。

 図1●平成23年度一般会計補正予算(第3号)フレーム
図1●平成23年度一般会計補正予算(第3号)フレーム

 第3次補正予算のうちB型肝炎関係経費を除く全てにICTへの投資が含まれていると考えてよい。とはいえ図1だけでは分かりづらいので、各府省の予算案からICTとの関連性が高い項目を抜き出すと、合計2154億円で全体の1.8%程度になった(図2)。また、これはいささか皮算用となるが、経済産業省の原子力災害からの復興1000億円とエネルギー対策の推進2324億円も、限定的ながらICTが関与すると見なせば、合計約5478億円で全体の4.5%程度となる。

 図2●平成23年度第三次補正予算の主なICT関連検討項目(主な省庁)
図2●平成23年度第三次補正予算の主なICT関連検討項目(主な省庁)
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