スマホアプリを本格的に活用するには、IT部門がそのための環境を用意することが必要になる。とりわけ、端末選定、セキュリティ対策、運用管理は、IT部門の選択次第で、スマートフォンの活用範囲や効果に影響を及ぼす。また大規模導入を視野に入れるなら、コストを抑える取り組みも念頭に置くべきだ。新技術や新サービスが次々と登場しているだけに、最新動向を押さえつつ、スマートフォン活用のためのインフラ整備に着手したい。

 携帯電話事業者がスマートフォン市場に力を入れていることもあり、多様な端末が利用できるようになってきた。画面の大きさやUI、重量、デザインなど、端末ごとに特徴がある(図1)。

図1●主なスマートフォン/タブレット端末。重量やバッテリー容量、画面サイズなどに大きな違いがある。
図1●主なスマートフォン/タブレット端末
重量やバッテリー容量、画面サイズなどに大きな違いがある。
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 タブレット端末もニーズが高まっている。例えばエーザイは1700台を超えるiPadを、MR(医薬情報担当者)に配布している。タブレット端末の機種が増え、iPadやGALAXY Tabばかりではなくなってきた。

 その半面、どの端末が自社の業務に適したスペックを備えているかを見極めることが難しくなってきたともいえる。現場で使うのに不自由がないか、アプリケーションは問題なく動くかなど、いくつかの視点で検討する必要がある。

 選定に当たってのポイントは、「OS、バージョン」「通信速度」「画面の大きさ」「バッテリーの持ち時間」「重量」「耐久性」「タッチ方式」といった7項目である(図2)。

図2●企業がスマートフォン/タブレット端末を選ぶ際の七つのポイント
図2●企業がスマートフォン/タブレット端末を選ぶ際の七つのポイント
業務で使う上では、機能やデザイン以外にも確認しておくべき点がある。

 これらの多くは、公表されているカタログ上のスペックから、ある程度は確認できる。しかし「使ってみなければ分からない」というものもある。

 「バッテリーの持ち時間」が代表例だ。アプリケーションや使い方次第で、持ち時間は大きく変わる。バッテリー容量が不十分だと、いくら使いやすいアプリケーションを開発したとしても、宝の持ち腐れになってしまう。実機を使った検証作業も視野に入れておきたいところだ。