次世代Android OS「Android 4.0」を搭載したスマートフォンの第1号「GALAXY NEXUS」(韓国Samsung Electronics製)が、間もなく世界各国で出荷される。2010年1月発売の「Nexus One」、同12月発売の「Nexus S」に続いて3機種目となる“Googleブランド”の端末だ。日本ではNTTドコモが「GALAXY NEXUS SC-04D」として発売する予定である(写真1)。

写真1●NTTドコモが発売予定の「GALAXY NEXUS SC-04D」
写真1●NTTドコモが発売予定の「GALAXY NEXUS SC-04D」
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 前2機種と同様、GALAXY NEXUSはAndroid 4.0の様々な新機能を盛り込んだリファレンスモデルとして、他メーカーに先駆けて提供される。つまり当面の間、Android 4.0がどのように動作するのかを体感できる唯一の端末になるわけだ。

 そこで本連載では、GALAXY NEXUSの実機を操作しながらOSの新機能をチェックしていく。第1回となる今回は2台のGALAXY NEXUSを使い、Android 4.0で初めて標準採用された注目の新機能「Android Beam」および「Wi-Fi Direct」を試すことにする。なお執筆時点(11月上旬)でGALAXY NEXUSは出荷されていない。NTTドコモから提供されたテスト機を用いているため、製品版では仕様・挙動が異なる可能性がある。

ほぼ設定不要で使えるAndroid Beam

 Android Beamは、近距離無線規格「NFC」(Near Field Communication)に対応した端末同士で、自分の連絡先やお気に入りのWebページなど様々な情報を共有するための機能である。2台の端末を近づけるだけで即座に情報をやり取りできるのがポイントだ。国産の従来型携帯電話やスマートフォンに採用されている赤外線通信機能と違い、端末の向きを合わせたり、送信・受信のためのメニューを開いたりする必要はない。

 Android Beamを使うための事前設定は非常に簡単である。Android端末でお馴染みの「設定」メニューを開くと、様々な項目が現れる(写真2)。このうち「無線とネットワーク」の「その他...」をタップし、写真3の設定画面を表示させる。

写真2●Android 4.0の設定画面
写真2●Android 4.0の設定画面
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写真3●通信・ネットワーク関連の設定項目
写真3●通信・ネットワーク関連の設定項目
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 次いで、「NFC」項目にある「端末が他のデバイスと接触したときのデータ交換を許可する」をタップしてチェックを入れる。これだけで「Androidビーム」の項目が「アプリコンテンツをNFCで転送する準備が整いました」となり、同機能を利用できるようになる。

 上記の設定を2台のテスト機に施した後、実際にAndroid Beamを試した様子が動画1である。最初に、一方の端末で任意のWebページを表示させておく。その上で2台の背面同士をタッチさせるとAndroid Beam機能が起動。さらにWebページを指でタップすると、そのURLがもう一方の端末に送信される。受信側ではWebブラウザが起動し、受け取ったURLを自動的に読み込んで表示する。

動画1●今見ているWebページのURLをAndroid Beamで相手に伝える

 Webページだけでなく、任意の動画の情報を伝えることも可能だ。例えばYouTubeアプリで動画を視聴している時にAndroid Beamを利用すると、相手の端末でもYouTubeアプリが立ち上がり、続きから再生される。