経営コンサルタントである著者が、「アナロジー」を日常生活やビジネス現場における思考法として役立てる方策を説く。アナロジーとは、類推、すなわち、類似のものから推し量ることを意味する。

 類書は数多いが、本書は現実世界での具体例を豊富に盛り込んでいて分かりやすい。例えば「回転すし店」にはアナロジーを見つけるためのヒントが詰まっているという。著者は店舗のオペレーション全体を1つのバリューチェーンだと見なし、すしの見込み・受注生産の比率を柔軟に変更している点や、ベルトコンベヤー上に載っているすしの在庫・鮮度管理、皿ごとに数段階ある値付け・価格管理などからも、様々な気づきを得られると説く。

アナロジー思考

アナロジー思考
細谷 功著
東洋経済新報社発行
1680円(税込)