ソーシャルメディア炎上事件簿の第3回はネットマイルの“架空面接”事件。同社は、米グーグルが“フェイスブック対抗”として開設したSNS「グーグル+(プラス)」で早速“炎上”第1号となった。社員が個人アカウントで面接を実況中継。批判を受け、「架空の面接」だったと釈明。早期のお詫びと研修内容の公開で、騒ぎは鎮静化したが…。

 フェイスブックページを舞台にした企業の“炎上”事件として、海外ではネスレなどがターゲットになったが、国内企業ではニュースになるほどの大きなトラブルはまだない。

 今はちょうどフェイスブックページ開設ラッシュの時期で、今後は増えていくに違いない――。そんな見方も出ていた矢先、そのフェイスブック対抗と目される「グーグル+(プラス)」で早くも事件が起きた。グーグルが6月末にサービスを開始したばかりのSNSである。

「ひどい会社だ」と批判の声、抗議メール50通

 “火元”となったのは、ネット上のポイントサービスを運営するネットマイル(東京都千代田区)。「採用の面接官が応募者を罵倒しながら、リアルタイムでその面接の様子を垂れ流している」としてネット上で騒ぎになった。企業アカウントではなく、同社の20代男性社員のアカウントでの出来事だった。

 8月9日の16時過ぎ、この社員が「30歳の年齢で専門学校を今度卒業する人が新卒の面接に来た…どうしようw」「あと5分したら面接してあげないとw」などと書き込み、面接の様子をノートパソコンで“実況”開始。

問題となった“架空面接”のリアルタイム投稿
問題となった“架空面接”のリアルタイム投稿
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 「なんで社会人をやって、また電子系の専門学校へ入学したのか質問中」「噛みまくりだよww」「声が小さい」「5年のブランクは不問にしてる。どうせニートだろうからww」といった具合に、質問内容やその回答を交えながら、面接相手を中傷した。

 実況は16時20分前から17時10分ごろまで約50分間続き、フォロワーからも、「あははは!!やっべえ仕事場で声出して笑いそう!!実況おもしろいーー」「こりゃ駄目だなw」など、“合いの手”が入った。

 この件が同日夜からネット上を駆け巡り、ネットマイルに対して「ひどい会社だ」「面接の内容は守秘義務に該当しないのか?」といった批判が相次いだ。同社には約50通の抗議メールが届いたという。

 この騒動を受けて同社は翌10日の早朝、自社サイトにお詫びを掲載した。「意外と早い火消し」「対応早いな」など一部では評価の声が上がった。

 しかしながら称賛よりずっと多かったのが、お詫びの内容に疑義を唱える声だった。「SNSに書き込まれた『面接の実況』は架空のものであることが判明いたしました」という同社の調査結果に納得がいかない声が、ツイッター上で見る限り多数派。