ネットを利用したITビジネスは多岐にわたりますが、そこで発生するトラブルや、関係する法律もまた多岐にわたります。連載『IT法務ライブラリ』の中から、デジタルコンテンツの著作権、ネットオークション、電子マネーなど、みなさんの日常生活にかかわる話題を選んで紹介します。

著作権の間接侵害

 家庭でテレビ番組の録画予約をするのは合法だが、企業がテレビ録画予約サービスを提供すると違法になる。ここには“カラオケ法理”も絡んでいる――。パソコンやスマートフォンからデジタルコンテンツを楽しむ人が増えていますが、コンテンツの提供側も利用側も著作権の侵害には注意してください。

録画予約サービス等における侵害行為の主体は提供側かユーザー側か

カラオケ法理のポイントは「管理・支配の要件」「営利目的の要件」

利便性の高いサービスほど「侵害行為の主体」と見なされる傾向

付随的な争点となるプロバイダ責任制限法と自動複製機器

事業化するためには十分なリスク評価が必要

ネットオークションをめぐる法律問題

 ITビジネスには、民法をはじめ様々な法律が関係していますが、ネットオークションビジネスには「古物営業法」というちょっと意外(?)な法律が関係しています。古物営業法には、ネットオークション事業者特有の義務が規定されています。

事業者が負担する法律上の義務

事業者が利用契約に基づいて信義則上負担する義務

事業者が負担する義務の具体的内容と裁判所の判断

オークションで発生する“第三者の権利侵害”への対応義務

第三者からの権利侵害申し出への対応方法

電子マネーなどの資金決済

 みなさんは「Edy(エディ)」「Suica(スイカ)」「WAON(ワオン)」「nanaco(ナナコ)」などの「電子マネー」を利用しているでしょうか。こうした新しい資金決済事業の成長に合わせ、新しい法律も登場しています。

資金決済法の影響を受けるIT事業

電子マネーに関連する法律を整理する(1)

電子マネーに関連する法律を整理する(2)

銀行以外も資金移動(為替取引)が可能となる

エスクローサービス、回収代行サービス等と資金決済法の関係

個人情報の取り扱いをめぐる法律問題

 本田技研工業やSony Computer Entertainment America、SQUARE ENIXなどで、サイバー犯罪により大量の個人情報が盗まれる事件が相次いでいます。漏洩したときの責任や事故対応など、個人情報保護法の観点から知っておくべきことがあります。

個人情報の取り扱いに関する現状の課題と動向

個人情報取扱事業者の義務違反

使用者責任と漏洩させた従業員の責任

個人情報取扱事業者の損害

個人情報漏洩事故への対応策