「A3 Together」のグローバル賞に選ばれたのは、災害時の緊急位置情報送信アプリ「SOS」、近くにいる人のツィートを取得するアプリ「Twiterea」、高齢者見守り電話アプリ「みまもりホン」の3作品。シリコンバレー特別賞に選ばれたのは地震発生時に家族や友人にメールを自動送信するアプリ「ハートビート」、路面段差観測アプリ「BumpRecorder」(大賞との同時受賞)、音による情報伝達アプリ「toneconnect」(アプリ/Webサービス賞との同時受賞)の3作品だ。今回はすでに紹介済みの2作品を除いた4作品を紹介する。

緊急時に位置情報入りのメッセージを送信
<グローバル賞>SOS 作者:栢本学氏

 「SOS」は、災害など緊急時に利用者の位置情報を含む文章をメールやTwitterで送信するアプリである。東日本大震災の教訓を元に、今後起きるであろう災害に向けて作られたアプリだ。災害発生時に、家族など親しい人々に対して自分の安否情報を素早く発信するのに使う。

写真●位置情報を含む文章をメールやTwitterで発信する
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 設定画面では、連絡手段をメールとTwitterから選択し、災害など緊急時に送信する文章を登録しておく。例えば「LOCATION の近くにいます。助けを呼んで下さい!」というテキストを登録すると、「LOCATION」という文字列をその時点の位置情報URLに置換して送信する。スマートフォンの画面上に送信用のウィジェットを置いておき、これをタップすることで素早くメッセージ送信の画面が表示し、アプリを利用できる。

写真●「SOS」のウィジェットをホーム画面に配置している
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作者に聞く

栢本学氏
栢本学氏

アプリを開発されたきっかけは。

 きっかけは東日本大震災です。この震災の時に自分なりに体験したことを元に、次に同じような震災が起こった時に少しでも役に立つものにしようと作りました。

苦心された点は。

 アプリ自体は非常にシンプルなものなのでアイデアが固まってから完成までの苦労は特にありませんでした。ただAndroid開発者なら誰でも経験されていると思いますが、OSごと、端末ごとの挙動の違いによるエラーの報告が寄せられ、その対処には非常に苦労しました。

ユーザーに向けてのメッセージを。

 なるべくなら使われる機会がない方がいいアプリではありますが、もしもの時のために用意だけでもしておいていただければ幸いです。ちなみに現在転職活動中なので、使ってみて気に入っていただいた企業の方がおられましたらご連絡をお待ちしています。