写真1
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 NTTぷららが運営する映像配信サービス「ひかりTV」が順調に会員数を伸ばしている。2011年9月末で165万に達したという。

 NTTぷららが力を入れるのが、マルチスクリーンサービスである。2011年7月29日に、「ひかりTVどこでも」を開始した。ひかりTVのお値うちプランあるいはビデオざんまいプランに加入するユーザーを対象に、スマートフォンやタブレット端末でビデオ作品を視聴できるようにするサービスを無料オプションとして提供するものである(写真1)。スマートフォンやタブレット端末などモバイル向け専用プランの提供開始も2011年内に予定する。今回は、同社の加入者向けに無料オプションサービスとして開始されている「ひかりTVどこでも」を体験してみた。

 このテストは、NTTぷらら広報室から付与されたIDを、ソフトバンクモバイルの携帯電話機「AQUOS Phone 006SH」(シャープ製)に登録した上で実施した。回線はNTT東日本のADSLに接続した無線LANアダプターを用いた。

驚くほどの早さで作品をスクロールして検索

写真2 ジャンルごとに作品が検索できる
写真2 ジャンルごとに作品が検索できる
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 スマートフォンの急速な普及でワンセグでテレビ映像を視聴し、ネットだけで動画を見るというユーザーは確実に増加してきている。しかしその一方で、YouTubeなどの映像投稿サイトは数は多いが、個人が作成した映像まで含めて種類は多様で、とにかく検索が容易ではない。

 ひかりTVのどこでもサービスでは、検索性に力を入れている。アプリをマーケットからダウンロードし開いた後、電話本体の「MENUホダン」を押すと、ジャンルごとにコンテンツの表示切り替えや検索のメニューが出てくる(写真2)。また、一覧表示モードならば「あ」から「ん」までのタイトル表題を一覧に並べている。

 筆者は最初にAndroidアプリである「ひかりTVどこでも」をインストールするのに、手持ちのタブレットである「GALAXY Tab SC-01C」を用いたが、アプリがこの機種に対応していないという内容が表示された。このサービスを受けるには、あらかじめ同アプリに手持ちの機種が対応しているか調べるのが必須だ。ちなみに、タブレット端末の市場も意識しており、既にiPad向けに配信をスタートさせている。

 年内サービス開始を予定するモバイル向け専用プランと、既に始まっているひかりTVどこでもでは、視聴できるコンテンツのラインアップは変わるだろう。同社では、プラン料金と視聴者ニーズのバランスをかんがみた上で作品を揃えていくという。

 ひかりTVどこでもの2011年10月末での視聴タイトル数は約3000もあるので、各ジャンル検索から入っていくことをお薦めしたい。一覧表示モードなら、題名とアイコンカット写真をパッと見することができるように「さらに読み込む」という動作を続ければよい。とにかくスクロールの素早さに感心させられた。

 iPhoneもそうだが、直感的操作性すなわちアプリを立ち上げれば「見放題」というタイトルのもとに作品だけが幾重にも並べられ、親指でなぞっていくというUI(ユーザーインタフェース)にこそ斬新性があるように感じられる。作品が増えていけば、「あいうえお」などが並び、その字を押せば同様に作品がスクロールしていくというスタイルなら5000本くらいの作品量でも、検索できるというイメージがわいた。

 もちろん、現状のジャンル検索も操作性はよいが、いずれ次世代の検索インタフェースが登場してくるだろう。ケーブルテレビのセットトップボックス経由のサービスも含めて、どのような検索システムが提供されるかによってVODビジネスの成否が決定される予兆を感じた。