写真1●ITpro EXPO展示会での展示の様子
写真1●ITpro EXPO展示会での展示の様子
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 日経BP社は「ITpro EXPO AWARD 2011」の優秀賞として、富士通の参考展示製品「オフィス製品のエネルギーマネジメント」(写真1)を選出した。

 「ITpro EXPO AWARD 2011」は、日経BP社が2011年10月12日~14日に開催した「ITpro EXPO 2011」に出展された製品/サービスを表彰するもの。製品/サービスとして優れているのと同時に、来場者に対して分かりやすくインパクトのある展示を全製品/サービスから選び出した。

IT機器の電力消費量を一元的に把握

写真2●スマートコンセントの外観
写真2●スマートコンセントの外観
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 富士通の「オフィス製品のエネルギーマネジメント」は富士通グループのPFUが開発・販売しているシステム運用管理製品「iNetSec Smart Finder」と、富士通コンポーネントが提供している「スマート電源コンセント」を組み合わせたソリューションだ。この2つを組み合わせることで、IT機器の電力消費量を、システム管理者側で一元的に把握できるようにするものである。

 iNetSec Smart Finderは、システム運用管理ソフトと、IT機器を検知するアプライアンス機器(センサー)から構成する。センサーをLANに接続すると、センサーはパソコンやサーバー、ルーター、プリンターといったLAN上のIT機器を自動検知。IT機器の情報を管理者用ソフト(マネージャー)に送信する。管理者は管理用ソフト(マネージャー)を使って、ネットワーク上の機器構成やその詳細を確認できる。

 スマート電源コンセントは、主に「スマートコンセント」と「ゲートウェイ」の2製品から構成する(写真2)。スマートコンセントとゲートウェイをUSBで接続。スマートコンセントが得た個々のIT機器の電力消費の情報をゲートウェイが収集する。今回のソリューションでは、ゲートウェイとiNetSecを連携させる機能を組み込み、ゲートウェイが収集した電力消費の情報をiNetSecが取得できるようにした。

個々の機器の電力消費量を「見える化」

図1●「オフィス製品のエネルギーマネジメント」の構成図(富士通の資料より引用)
図1●「オフィス製品のエネルギーマネジメント」の構成図
(富士通の資料より引用)
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写真3●管理者用の画面例。iNetSec SmartFinder上で、電力消費量を確認しているシーン(開発中のもの)
写真3●管理者用の画面例。iNetSec SmartFinder上で、電力消費量を確認しているシーン
(開発中のもの)
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 ソリューションのポイントは、2つの製品の機能を組み合わせて、個々のオフィス機器の電力消費量を「見える化」するところにある。スマート電源コンセントは、各コンセントに刺さっているオフィス機器それぞれの電力消費量の情報を吸い上げることができる。スマート電源コンセントで得た各IT機器の電力消費情報と、iNetSec Smart FinderのIT機器の管理情報を結合(図1)。これにより、「オフィス内のIT機器の電力消費量を、さまざまな角度から把握できる」(PFUの伊藤寿勝ソリューション&ソフトウェアグループアプライアンスソフトウェア事業部マネジメントソフトウェア開発部部長)のが特徴だ。

 例えば「営業1課のA氏が使っているデスクトップパソコンの本日の電力消費量は現在○○W」、といった情報がマネージャーの画面上で確認できる。また個々の機器の電力消費情報は、オフィスのフロアや部署、事業所などグループや組織単位で集計可能(写真3)。個々人が使っているIT機器の電力消費量という“ミクロな情報”、それからフロアや部署全体で見たIT機器の電力消費量といった“マクロな情報”それぞれを観察することで、省電力化に向けた活動につなげようというのが富士通の提案である。