KDDIにおけるMNP(番号ポータビリティ)の状況は、ポートイン(転入)が急拡大し、ポートアウト(転出)が減少しているという
KDDIにおけるMNP(番号ポータビリティ)の状況は、ポートイン(転入)が急拡大し、ポートアウト(転出)が減少しているという
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 スマートフォンブームを追い風に、携帯電話事業者の2011年7-9月期決算が好調だ。ソフトバンクモバイルが6期連続で過去最高の営業利益を上げたほか、KDDIの田中孝司社長も「移動通信事業でauのモメンタム(勢い)が急速に回復している」とアピールした。NTTドコモは営業利益が前年同期比で4%減となったが、前年同期の特殊要因を除くと増収増益を達成しているという。通期(2012年3月期)の業績予想も上方修正した。

 ITベンダーの決算を見ると、まだら模様ではあるが、営業利益を大幅に回復させた企業が少なくなかった。金融業界向けのソリューションを除けば、ITサービス全般で業績が堅調に推移したようだ。NTTデータの営業利益(4-9月期)は前年同期比21.1%増、新日鉄ソリューションズは同21.0%増、大塚商会も1-9月期の営業利益が同22.4%増となった。一部に晴れ間が見えたかの印象だ。

 ただし、今後の見通しについては依然として不透明感が漂っている。国内IT投資の動向は予断を許さず、タイの大洪水による影響も懸念されている。それゆえ、増収増益となったNTTデータですら慎重な姿勢を崩さない。同社の山下徹社長は決算発表の席上で、「第2四半期の業績は一時的で、好調が続くかどうかは不透明」との見方を示した。

好業績を続ける携帯電話事業者

ソフトバンクは過去最高益、「900MHz帯はフライング寸前で準備」

KDDIは増収増益、スマホ販売台数100万台上積みへ

NTTドコモの4-9月期は減収減益も好調に推移、新周波数帯は「900MHz帯も取りに行く」

営業利益で明暗分かれた国内ITベンダー

NTTデータは増収増益、営業利益が前年同期比21.1%増

大塚商会は22%営業増益、SIやサーバー販売が好調

新日鉄ソリューションズは21%営業増益

NEC、営業利益が前年同期比6倍に

富士通は減収減益、タイの洪水でPC生産に今後影響も

日立製作所、「情報・通信システム」は増収減益

NRIが4‐9月の業績を発表、売上高は横ばい

J:COMは増収増益が続く、解約率改善もARPUは下落傾向

ニフティは8%減収、モバイル接続サービス会員は3万人増

「ネット上における加入者の交流の場を進化させたい」、WOWOWの決算説明会から

海外ではYahoo!、Amazon、Nokiaなどが苦戦

Appleは39%増収で54%増益、しかしアナリスト予測に届かず

Intelの売上高が6四半期連続で過去最高、142億ドルに

Googleは33%増収で26%増益、「Google+」のユーザーは4000万人超

Microsoftは増収増益、サーバー関連が6四半期連続で2桁成長

Yahoo!は24%減収で26%減益、検索広告が不調

Amazon.comは純利益73%減、3四半期連続の減益

Netflixは増収増益も、今後の見通しは弱気

Nokiaは6800万ユーロの赤字、スマホ出荷台数は約4割減

Sony Ericssonは収支とんとん、スマートフォンの成長で前期から回復

Motorola Mobilityは10.6%増収、スマホ出荷は480万台

「日本市場は回復する」とイメルト会長 米GEが強気の決算説明会